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千葉県富津市の清掃会社に勤める町谷亜八(ハチ)は、
過去に傷害事件を起こし執行猶予中の身。
ようやく手に入れた「まっとうな暮らし」からはみ出さぬよう生きている。
ある日、血の繋がらない姉・ロクから数年ぶりに連絡が入る。
二人の弟、キュウを脅す人物が現れたというのだ。

キュウにはダンスの天賦の才があった。
彼の輝かしい未来を守るため、ハチとロクは、かつて、ある罪を犯していた。
華々しくデビューし、注目を集めつつある今、
それが明るみに出れば、スキャンダルは避けられない。
キュウのため、ハチは守り続けた平穏な日々から一歩を踏み出す。

一方、キュウをプロデュースする百瀬は、その才能に惚れ込み、
閉塞感に喘ぐ社会を変えるカリスマとして彼を売り出す。
〈Q〉と名付けられたキュウは、SNSを通じ世界中で拡散され続けた。
かつてない大規模ゲリラライブの準備が進む中、〈Q〉への殺害予告が届く。
犯人は誰なのか。凶行を止めることはできるのか――。

血の繋がらない姉と弟と「わたし」。
三人を取り巻く〈現在―いま―〉の物語。
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書店員の声
表紙
呉 勝浩(ご・かつひろ) 1981年青森県八戸市生まれ。大阪芸術大学映像学科卒業。2015年『道徳の時間』で第61回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。18年『白い衝動』で第20回大藪春彦賞受賞、20年『スワン』で第41回吉川英治文学新人賞、第73回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)受賞、第162回直木賞候補。21年『おれたちの歌をうたえ』で第165回直木賞候補。22年『爆弾』で第167回直木賞候補。