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2020.12.15

文学界を騒然とさせた中学生作家、現在高校2年生。人間賛歌を鮮やかに紡ぐ!『私を月に連れてって』

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キーワード: 小説 文学 高校生作家

文学界を騒然とさせた中学生作家、現在高校2年生。人間賛歌を鮮やかに紡ぐ!『私を月に連れてって』

今度も、笑って泣かせます!

10万部を超えるベストセラー『さよなら、田中さん』、その続編『太陽はひとりぼっち』に続く、愛すべき登場人物たちのその後――。

文学界注目の高校生作家・鈴木るりかが描く、いとしい人間ドラマ3編。

 

■「遠くへ行きたい」

«遠くへ行きたい。

一度もそう思ったことのない人はいないんじゃないだろうか。

最近この思いに強く囚われている。実際は遠くどころか、生まれ育ったこの区からほとんど出ていないのが現状だけれども。衣食住、すべてが地元で完結している。それはそれでいいことなのかもしれないが。»

田中花実は中学2年生になった。

前作『太陽はひとりぼっち』からのバディ、佐知子とは相変わらず仲良し。

ある日、2人は謎めいた少女と出会う。

よかれと思って少女のために行動した2人だが、予期しなかった深い社会問題に踏み込んでしまう結果に。

笑いあり、涙あり、生きることへの肯定感を滲ませる「るりかワールド」はより広がり、深みを増す。

 

■「私を月に連れてって」

デビュー作『さよなら、田中さん』、前作『太陽はひりぼっち』でも、名脇役として登場する2階の住人・賢人が主役の物語。

相変わらずむさ苦しく、世捨て人となっている賢人がある日突然恋に落ちる。

«一夜にして世界が変わる。そんなことがあるのだとしたら、今朝がまさにそれだろう。一夜にして世界が大きく変わっていた。目にするものすべてが美しく輝いて見える。昨日までは気に留めることもなかった小鳥のさえずりさえも、祝福しているかのように聞こえる。ミュージカルだったら、ここで枕を放り投げて歌い、踊り出すところだ。

ああ、窓を開けて世界中の人に知らしめたい。自分は今、恋をしているんだと。»

このときめきが、彼の生活、人格、すべてを変えていく。

賢人がみつけた鮮烈な「恋」の行方は・・・?

 

■「夜を越えて」

上記の「遠くへ行きたい」を受けて誕生した作品。

授業の一環、職場体験で出会った「ぶーさん」。

彼女は、花実のお母さん・真千子の昔を知る人物だった。

実の娘の花実にすら一切語らない、真千子の壮絶な過去の一端がひも解かれる。

真千子の少女時代から続く、熱い想い、絆に心がふるえる1編。

«それでも愛されたかったですよ、お母さん。今でも。

叫びはいつも夜の果てに消えていく。

――夜を越えていくんだよ――

誰かを責めることは簡単で、自分もラクになるけれど、それをしたところで虚しいだけ。これからもこの飢えを抱えたまま生きるしかない。何度夜の深い闇に沈んでも。その夜を超えて。»

 

「上手い! 実に面白い! 率直に、読めて嬉しい!」――ブックジャーナリスト・内田 剛さん

 

● 担当編集より

「今年は書けないと思います」──デビュー以来、3冊連続毎年誕生日に新作を発表してきましたが、今年は春頃にその連絡を受け、刊行はないと思っていました。

ところが、晩春ごろから執筆が進んだ、とのことで原稿が届き始めました。

当初はそれでも、今年の発刊は難しいかも、と思っていたのですが、改稿、新作執筆を重ねると、どんどん素晴らしい物語が生まれてきたのです!

多くの読者待望の『さよなら、田中さん』そして昨年の『太陽はひとりぼっち』の続編でありながら、様々な人々の生き様が詰まった3編。

そして、昨年の通しテーマが「太陽」で、今回は「月」。

デビュー作からの愛すべき登場人物達のその後、そして現在。より広がり、深みが増した「るりかワールド」をたのしんでください。

そして、現役女子高生作家が描く人間賛歌を堪能してください。

ハッとさせられ、笑って笑ってじーんと涙する。

そんな1冊です。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

『私を月に連れてって』

著/鈴木るりか

 

【著者プロフィール】

鈴木るりか(すずき るりか)

2003年、東京都生まれ。小学4年、5年、6年時に3年連続で、小学館主催の『12歳の文学賞』大賞を受賞。2017年10月、14歳の誕生日に『さよなら、田中さん』でデビュー。10万部を超えるベストセラーに。韓国や台湾でも翻訳される。2018年、地方の中学を舞台にした2作目の連作短篇集『14歳、明日の時間割』を刊行。近著は本作前編となる『太陽はひとりぼっち』。現在、都内の私立女子高校2年生在学中。

 

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