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2019.11.10

第回『倪陜はひずりがっち』䞖間を隒然ずさせた珟圹䞭孊生䜜家、高校生になっお初の曞き䞋ろし小説早くも倧評刀 党回連茉

この蚘事は掲茉から10か月が経過しおいたす。蚘事䞭の発売日、むベント日皋等には十分ご泚意ください。

第回『倪陜はひずりがっち』䞖間を隒然ずさせた珟圹䞭孊生䜜家、高校生になっお初の曞き䞋ろし小説早くも倧評刀 党回連茉

第回『倪陜はひずりがっち』

 次の日、孊校から垰っおくるず、なんずあの男がアパヌトの前に立っおいた。䜕しにたた来たのか。もうこれ以䞊、賢人の叀傷に觊れないで欲しい。

 ã€Œã‚の、ただ䜕か埡甚でしょうか」

 怒りをにじたせた声で蚀う。これで䌝わるか。

 ã€Œã‚あ、昚日はどうも。あのあず、賢人、束䞋くんの様子はどうですか」

 いかにも案じおいるような衚情を浮かべる。倧した圹者だよ。こい぀やっぱりワルだな。

 ã€Œãˆãˆã€äœ•か昔のこずを思い出したみたいで、それで具合悪くなったみたいですね」 

 ã€Œæ˜”のこず、を」

 ã€Œæ˜”されたこずですよ、あなたに」

 男は口に手を圓お、さすがに困ったような顔をする。

 ã€Œãã†ã€ã§ã™ã‹ã€‚そうですよね、やっぱり」

 唇を噛み締める。そうだよ、反省しなよ。

 ã€Œã˜ã‚ƒã‚、あの、これ枡しおもらえたすか」

 男が片方の手に持っおいたものを差し出す。

 生花店の包装玙に包たれた癜いバラが二本。

 ã€Œã‚、これ」

 ã€Œæ˜”、束䞋くんからもらったんです。癜いバラを二本」

 ん 䜕だかおかしいぞ。賢人がこい぀にバラを莈ったっお 普通、自分をいじめおるや぀にそんなこずしないよな。ん ん どういうこず

 ã€Œã‚‚、もしかしお、花蚀葉も知っおたすか 癜いバラ、二本の」

 ã€Œã‚‚ちろん、癜いバラは『深い尊敬』、『私は貎方にふさわしい』、それが二本なら『この䞖界はふたりだけ』」

 ã€Œã‚」

 戞惑っおいるず、

 ã€Œã˜ã‚ƒã‚、これお願いしたす」

 バラの包みを抌し぀けるようにしお枡される。

 ã€Œãã‚Œã‹ã‚‰æ·±ã„尊敬の気持ちは今でも倉わらないこずを䌝えおおいおください」

 ん 尊敬 賢人に 嘘ぉ。

 ã€Œå€±ç€Œã—たす」

 䞀瀌しお、立ち去ろうずする男性を「あ、ちょ、ちょっず埅っお、埅っおください」ず蚀っお慌おお匕き止める。

 その埌、堎所を公園に移し、ベンチに座り話を聞いた。男性は安歊ず名乗った。安歊さんは、賢人の䞭孊時代の友達だずいう。

 ふたりが行っおいたのは、私立の難関男子校だ。けれど賢人は途䞭から孊校ぞ行けなくなり、䞭高䞀貫校の高校ぞ䞊がる頃には完党に䞍登校になっお、結局退孊したず聞いおいる。

 安歊さんは、賢人が䞍登校になったいきさ぀を、私が党郚知っおいるず思っおいたらしい。そうではないずわかり、ちょっずうろたえたようだったが「でも、もうあなたも巻き蟌んでしたっおいるし、お話ししたほうがいいかな」ず蚀っお、ひず呌吞おき話し始めた。

 賢人ず僕は、䞭孊で知り合った。䞭䞀で同じクラスになり、最初はたたたた垭が近くお自然ず話すようになったが、そのうち随分ず気が合うこずがわかった。読曞や釣りずいった趣味も同じ、奜きな音楜の傟向も䞀緒、お互い芋たいず思う映画も同じ。でも異なるずころもあっお、たずえば僕は読曞でも翻蚳物が苊手だったが、賢人に勧められた小説を読んでみたら思いのほか読みやすく、それをきっかけにほかの䜜家のものも読むようになり、やがお原曞で読砎するたでになった。

 逆に賢人は歎史にさほど興味がなかったが、歎史奜きな僕が邪銬台囜論争の話をするず倧局興味を持ち、文献を読み持り、最終的には僕よりも詳しくなった。自分が心の䞭で思っおいたこずを盞手がずばり蚀葉にしおくれお、それが䞀分の隙もなく気持ちよくぎったりず重なったこずは数知れず、お互いがお互いを、もしかしたら前䞖では双子だったのではないかず思えるほどだった。

 勉匷も䞀緒にしたし、互いの家を行き来もした。䌑日に釣りに行くこずもあったし、長期の䌑みには、䞀泊の旅行にも出かけた。

 しかもその頃、圓時でもかなり珍しかった亀換日蚘をしおいた。ふたりずも携垯を持っおいたので、メヌルでのやりずりもしおいたが、昔ながらの亀換日蚘もしおいたのだ。ノヌトに手曞きずいうスタむルにこだわったのは、賢人のほうだった。

 ã€Œã“ういう時代だからこそ、やるんだよ。手曞きの文字は、自分のペヌスでより深く刻たれる、玙にも心にも。読む人のこずを思っお䞀文字䞀文字手で曞くこずで絆が生たれる。深たる」

 そう蚀っお。

 確かに、自分の心情を綎りそれを共有するずいう行為は、栌別な意味があるように思えた。授業のこず、玚友のこず、将来のこず、読んだ本、映画、通孊路で芋た玫陜花の矎しさ、颚の枅々しさ、季節の移ろい、盞手に察する思い。

 酔っおいた郚分もある。曞くのは倧抵倜だったから、時には随分感傷的になった。思いが募った。そこにはふたりだけの䞖界があった。今ある珟実ずは別の䞖界。穢れに満ちた䞖俗ずは違う、僕たちしか知らない矎しく枅らかな䞖界。

 思春期特有の過剰な感傷ずいえばそうだったかもしれない。時には恋愛めいた衚珟もあった。それはより䞀局ふたりの仲を深く芪密なものにしおいた。

 亀換日蚘は䞭䞀から始たり、二幎では別のクラスになったが、䞉幎でたた䞀緒になり、その間もずっず続いおいた。

 あれは䜕冊目だったか。日蚘は䞀冊曞き終えたら、亀代で保管しおいた。ごくシンプルな倧孊ノヌト。衚玙にも䜕も曞いおいない。いかにも日蚘然ずしたものを䜿うこずを、賢人は嫌がった。呚りの目を気にしたわけではないが、ごく普通のありふれたノヌトに日々の秘密が綎られおいるずいうのが、かえっお良かったのかもしれない。

 だからどうしおそのノヌトを芪が手に取り、芋ようずしたのかはわからない。䜕かの拍子に偶然目に入っおしたったのか。それずも思春期の子䟛の動向を探ろうず、机の䞭を持ったのか。ずにかくその日蚘が芪に芋぀かり、過去のものも党郚読たれおしたった。読んだ芪は青くなり震え䞊がった。そこには時に、異性に察する芪愛の情ず同じ類の衚珟が綎られおいたからだ。僕たちは、ただ互いを尊敬し、思いやっおいただけなのに。

 芪はもちろん僕たちが、芪しい友人であるこずは知っおいた。双方の家を行き来し、旅行ぞ行くこずも蚱しおいたのだから。賢人は成瞟も良かったから、いい友人を埗たず喜んでいたくらいだ。

 しかし芪は日蚘の内容から、それ以䞊の䜕かを嗅ぎ取ったのだった。さらに最悪なこずに、芪はその日蚘を孊校に持っおいき、教垫にも党郚芋せた。そしおふたりを別々のクラスにするこずを芁求した。孊期の途䞭で、さすがにそれは無理だずいう孊校偎に、それなら賢人を転校させろ、ダメならうちの子を転校させるず、さらに無茶な芁求を突き぀けた。このたたではうちの子が、毒されおしたうず隒ぎ立おた。

 もちろん僕も家で激しく咎められた。賢人にそそのかされおいるずも蚀われた。あくたで悪いのは賢人のほうで、今は男子校ずいう䞀皮の閉鎖された空間にいるから、この幎代にありがちな感化されやすさで匕きずり蟌たれたのだず。僕は悪魔に目を぀けられた、被害者なのだず。

 いくら僕たちはそんな関係ではない、ず蚀っおも党く聞き入れおもらえなかった。思春期倖来にも連れお行かれた。

 䞡芪は賢人の家にも行き、日蚘を芋せ、賢人だけを悪者にし、責め立おた。賢人を異垞だず決め぀け、詰った。そのあずの賢人の家の隒動も想像に難くない。

 孊校ではどういうわけか、賢人が䞀方的に僕に察しお思いを募らせ、おぞたしい内容の手玙を倧量に送り぀け、僕も家族も倧倉困っおいるずいう噂になっおいた。僕たちが入孊以来の芪友であるこずは、玚友もみんな知っおいたけれど、賢人が友情を超えた感情を僕に抱くようになり、垞軌を逞した行動に出お、僕や䞡芪を非垞に困惑させおいるずいうこずになっおいた。もしかしたらうちの芪が、自ら流した噂だったかもしれない。

 ずりあえず僕ず賢人の垭は隅ず隅に匕き離され、呚りも奇異なものを芋るずいうか、はれもの扱いずいうか、異様な空気になった。賢人は孊校ぞ来おも、僕ずは党く目も合わせず、顔さえも向けおくれなかった。意識しおそうしおいたのはわかっおいたが぀らかった。近くに行きたかったが、クラスの雰囲気がそうさせなかった。

 違うんだ、党くの誀解だよ。そんなんじゃないんだ。みんなの前でそう蚀いたかった。しかしそんなこずをしたら、䜙蚈に隒ぎを倧きくし、それこそ䞋衆の勘ぐりをされお事態を悪くするだけに思えた。所詮人の噂、ここは静芳したほうがいいず刀断した。でもこれは蚀い蚳だったのだず思う。僕は匱くお卑怯だったのだ。

 その噂では賢人が僕に䞀方的に思いを寄せおいるこずになっおいるから、クラスのみんなは僕には同情的で、「倧倉な目に遭ったな」ずいう者もいたが、賢人に察しおは、呚りの空気が確実にこれたでずは違うものになっおいた。みんな異質なものを芋るような目で、遠巻きにしおいた。誰も話しかける人はいなくなった。

 䜕床か僕から話しかけようずしたが、賢人のほうが僕を避けおいるようだった。動揺したが、これは僕を思っおのこずだず察しが぀いた。携垯電話も芪に取り䞊げられ、登䞋校は母が車で送り迎えするようになり、賢人に接觊できる機䌚は倱われた。

 そのうち賢人は孊校を䌑みがちになった。あの噂のせいで、衚立っおいじめを受けたずか、からかわれるようなこずはなかったず思うが、もしかしたら陰で䜕か嫌がらせをされおいたのかもしれない。そうでなくおも繊现な賢人は、今たでずは違うこの状況に耐えられなかったのかもしれない。

 そのうち入院したずいう噂が立ち、それは心療内科であるずか、䜕かの斜蚭であるずかいう内容だったが、誰に入院先を聞いおも知らなかった。䞀床、母の目を盗んで賢人の家たで行ったが、呌び鈎を抌しおも応答がなく、人の気配がしなかったので垰っおきた。

 それが䞭䞉の終わりで、䞭高䞀貫校だったから、ふたり共受隓はなくそのたた高校ぞ進んだ。賢人は欠垭が倚かったが、それたでの成瞟が優秀だったので、特別に進孊を認められたようだった。だが結局賢人は高校ぞ䞀日も通うこずなくそのたた退孊した。

 ある時孊校から垰っおくるず、家の門扉に玙袋がかかっおいお、芋るず䞭に癜いバラが二本束ねられおいた。メッセヌゞも䜕もないが、賢人だず盎感した。すぐに癜いバラの花蚀葉を調べた。深い尊敬、私は貎方にふさわしい、二本なら、この䞖界はふたりだけ。癜いバラを前に僕は泣いた。

 その埌僕は高校を卒業し、第䞀志望の倧孊に進み、倧手メヌカヌに就職した。

 ã€é€£èŒ‰ç¬¬ïŒ–回に続く】第回、第回、第回、第回、第回

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