STORY
全3編
太陽はひとりぼっち 太陽はひとりぼっち

田中花実は、中学生になった。お母さんと相変わらずビンボーながら、大笑い大食らいな日々を送っている。ある日、家の前に見慣れぬスーツ姿の男性が。この人は一体……? そしてまた別の日には、見知らぬおばあさんが座り込んでいた。次々登場する謎の登場人物。一つ一つの事件の裏側には、それぞれの想い、悩み、葛藤があった。生きることへの希望を謳う「るりか節」は健在!!

神様ヘルプ 神様ヘルプ

デビュー作「さよなら、田中さん」最終章で鮮烈な印象を残した三上信也くん。中学受験に全落ちし、毒親である母親から山梨県にある全寮制のカトリックスクールに送られた、彼の現在は? 誰もが気になる、信也くんのその後が描かれる。憧れの花実ちゃんとの、とある夏の日のデート(?)シーンも微笑ましい!

オー マイ ブラザー オー マイ ブラザー

「さよなら、田中さん」で花実に大きな影響を与え、数々の名言を誕生させた木戸先生の物語。オカルトに傾倒し、不思議な話ばかりしている木戸先生のルーツが解き明かされる。先生の人生における唯一の固執、謎が見事に解明されるラスト。全編を通してテーマとなっている、太陽の光が物語に陰影を与える。

絶賛の声
やっぱり面白い。そして、相変わらずまぶしい。著者は小説を太陽のように発光させる技を持っている。 道尾秀介さん(作家)
花ちゃんが帰ってきました。さらに逞しく、さらに聡明になって。鈴木るりかの世界がダイナミックに繊細に展開します。るりかさん、作家としてまた一回り、大きくなったね。 あさのあつこさん(作家)
るりかさんは人がなんとなく隠している秘密をひっくりかえす。小さな子供が亀をひっくりかえして、じっと見ているみたいに。可愛くてひどい。 西原理恵子さん(漫画家)
ユーモアの冴えと社会性の深まりを感じた。
どこまで行くんだ、鈴木るりか。 俵万智さん(歌人)
担当編集より

「残念ながら、今年は無理かもしれない」──デビュー以来、2年連続誕生日に新作を発表してきましたが、今年は半分諦めていました。でも、どこかで「きっと大丈夫」と信じる気持ちもありました。そのくらい原稿が上がってこなかったのです(笑)。

しかし!送られてきた原稿を読んで、心が震えました。会社の机にいながら、涙をこらえられませんでした。こんなに真っ直ぐに心に突き刺さってくる小説があるでしょうか。
読者待望の『さよなら、田中さん』続編ではあるのですが、単なる続編ではなく一つの文芸作品としてお届けします。
愛すべき登場人物達のその後、そして現在。そこには、人間の「生きる」すべてが詰まっています。血の通った「るりかワールド」を堪能してください。どうぞよろしくお願い申し上げます。

著者プロフィール
  • 鈴木るりか

    2003年、東京都生まれ。小学四年、五年、六年時に三年連続で、小学館主催の『12歳の文学賞』大賞を受賞。2017年10月、14歳の誕生日に『さよなら、田中さん』でデビュー。10万部を超えるベストセラーに。韓国や台湾でも翻訳される。2018年、地方の中学を舞台にした2作目の連作短編集『14歳、明日の時間割』を刊行。韓国でも翻訳されている。現在、都内私立女子高校一年生在学中。

  • 小説を書くことは、よく自分の羽を抜いて反物を織る『鶴の恩返し』の鶴に喩えられますが、私も執筆中は自分がまさに鶴になった心持ちで原稿に向かっています。
    ですから一作書く毎に満身創痍、単行本一冊分書き上げたときには、すべての羽をむしり取られて丸裸、鶴というより、クリスマスの七面鳥になっているのです。

    そしてまたそこから一年かけ、ようやく羽が生え揃ったところをむしり取って物語を綴る……。けれど今年は羽が生え揃うまでに時間がかかり、なかなかはた織り機に向かえませんでした。ようやくケツに火が付き蛍になった私が机に向かったのは、五月頃のことでした。
    しかしながら窮鼠猫を噛むと言う諺が示すように、追い詰められたとき、自分でも思ってもいなかった力が湧き、閃きが降ってくることもあるものです。後半は、ほとんど窮鼠猫状態でした。
    こうして鶴になったり蛍になったり鼠になったり、七変化しながらどうにかここまでたどり着き、今はほぼ七面鳥です。
    そんなアニマル鈴木の三冊目『太陽はひとりぼっち』です。生来ナマケモノ(また動物!)気質の作者ですが、花ちゃんたちはよく動いてくれました。私はまったくプロットというものを書かないので、執筆を始めたら、登場人物たちがいかに動いてくれるかにかかっているのですが、今回もまた、皆それぞれの生を生きてくれました。
    中学生になり、ちょっぴり大人になった花ちゃん、それに三上くん。これからも共に成長していけたら、と思っています。
    次回もまた羽が生え揃ってお会いできることを楽しみにしています。
既刊
太陽はひとりぼっち
14歳、明日の時間割
さよなら、田中さん
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小学館