STORY
遠くへ行きたい

田中花実は中学2年生になった。前作『太陽はひとりぼっち』からのバディ、佐知子とは相変わらず仲良し。ある日、2人は謎めいた少女と出会う。よかれと思って少女のために行動した2人だが、予期しなかった深い社会問題に踏み込んでしまう結果に。笑いあり、涙あり、生きることへの肯定感を滲ませる「るりかワールド」はより広がり、深みを増す。

私を月に連れてって

デビュー作『さよなら、田中さん』、前作『太陽はひとりぼっち』でも、名脇役として登場する2階の住人・賢人が主役の物語。相変わらずむさ苦しく、世捨て人となっている賢人がある日突然恋に落ちる。そのお相手とは……?そして、その恋が、彼の生活、人格すべてを変えていく。賢人がみつけた鮮烈な「恋」の行方は……?

夜を越えて

上記の「遠くへ行きたい」を受けて誕生した作品。授業の一環、職場体験で出会った「ぶーさん」。彼女は、花実のお母さん・真千子の昔を知る人物だった。実の娘の花実にすら一切語らない、真千子の壮絶な過去の一端がひも解かれる。そこで描かれる真千子の少女時代。そして、その時代から続く熱い想い、絆に心がふるえる1編。

担当編集より

「今年は書けないと思います」──デビュー以来、3冊連続毎年誕生日に新作を発表してきましたが、今年は春頃にその連絡を受け、刊行はないと思っていました。ところが、晩春ごろから執筆が進んだ、とのことで原稿が届き始めました。当初はそれでも、今年の発刊は難しいかも、と思っていたのですが、改稿、新作執筆を重ねると、どんどん素晴らしい物語が生まれてきたのです! 多くの読者待望の『さよなら、田中さん』そして昨年の『太陽はひとりぼっち』の続編でありながら、様々な人々の生き様が詰まった3編。そして、昨年の通しテーマが「太陽」で、今回は「月」。デビュー作からの愛すべき登場人物達のその後、そして現在。より広がり、深みが増した「るりかワールド」をたのしんでください。そして、現役女子高生作家が描く人間賛歌を堪能してください。ハッとさせられ、笑って笑ってじーんと涙する。そんな1冊です。 どうぞよろしくお願い申し上げます。

著者プロフィール
  • 鈴木るりか(すずき るりか)

    2003年、東京都生まれ。
    小学4年、5年、6年時に3年連続で、小学館主催の『12歳の文学賞』大賞を受賞。2017年10月、14歳の誕生日に『さよなら、田中さん』でデビュー。10万部を超えるベストセラーに。韓国や台湾でも翻訳される。2018年、地方の中学を舞台にした2作目の連作短篇集『14歳、明日の時間割』を刊行。近著は本作前編となる『太陽はひとりぼっち』。
    現在、都内の私立女子高校2年生在学中。

    人通りの消えたタイムズスクエア、「どうか観光に来ないで」と言う観光地の市長、閉ざされた夢の国、ひとり残らずマスク姿の通勤通学風景。「こういうの映画やドラマで見たことがある」「こんな小説を読んだ気がする」。そう感じたことが何度もありました。でもそれは現実で、フィクションを地で行く、いやそれ以上のことが実際に起きていたのです。一年前には、まったく誰も予測しなかった世界になってしまった。けれどこの禍を越えて行く。越える力があると思う。明るいほうへ向かうよう、願いを込めて書きました。
既刊
私を月に連れてって
太陽はひとりぼっち
14歳、明日の時間割
さよなら、田中さん
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小学館