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2021.7.6
貯蓄ゼロでも不安ゼロな社会を実現する方法がある!『どうせ社会は変えられないなんてだれが言った?』
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キーワード: 社会 政治 教育 社会保障 貧困 格差 ベーシックサービス コロナ禍 井手英策
「医療」「介護」「教育」費がタダになる――未来の日本を変える方法について、詳しく知りたいと思いませんか?
日々の暮らしや老後の不安におびえなくていい社会になったら・・・誰もが「生きやすい」世の中になると思いませんか?
そんな夢みたいな話があるわけない!?と思う、あなた。
慶應義塾大学経済学部教授の井手英策さんが発案したアイディアを活用すれば、現実のものとなるんです。
井手さんは2018年「医療、介護、教育、障がい者福祉のすべてが無償。貯蓄ゼロでも不安ゼロな社会」を実現するための方法<ベーシックサービス>を発表。
そのための策として、消費税増税の必要性に切り込み、賛否両論を巻き起こしました。
この本は、当時の発表をよりわかりやすく、進化させた「ベーシックサービス入門書」にして決定版。
なぜ忌み嫌われる「消費税増税」が「格差なき社会」につながるのかを、軽やかにひもとき、収束の兆しが見えない、不安に満ちたポストコロナの日本社会を構想します。
«ベーシックサービスの考えを聞くと、おそらくほとんどの人が、「ふーん、たしかにそうなればいいんだけどね」っていう感想をもつんじゃないでしょうか。学校がタダ、病院がタダと言われれば、嬉しさ半分、嘘っぽさ半分ですよね。
僕がこの本で挑戦したいのは、この「ふーん」っていう空気なんです。
ポストコロナの日本はこのままでいいのかな、そんな不安ありませんか?
こうしたら、日本がもっとよくなるかも、そう思ったことないですか?
よしやろう、それでいこう、そんな前のめりな空気をつくりたくないですか?
そうなんです。僕がこの本を届けたいのは、社会の「語りかた/変えかた」に悩んでいる人たちなんです。自分や子どもの未来、何か考えたいな、何かしなきゃな、そうぼんやりと思いながら、なんとなく放置してる人たちなんです。»
(本書「はしがき」より)
「あー、東大を出て、大学教授になった〝勝ち組〟の、机上の空論ね。知的遊戯ってやつね」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、そう思って読み進めると、度肝を抜かれます。
著者自身が、弱者と呼ばれるまずしい家に生まれ、スナックのカウンターが勉強机という環境で育ち、東大に進学後は闇金関係者とかかわり、借金返済に追われ院生時代の記憶がほとんどない・・・というなかで生きてきました。
ベーシックサービス理論とふかく結びつく、著者の壮絶な過去。
公正とはいえない社会に対する怒りは、同情や共感ではなく、まさに〝自分事〟なのです。
救済はいいことですが、救われる人間の心には、屈辱が刻み込まれます。
どうやって「弱者を助けるか」、ではなく、どうすれば「弱者を生まない」社会をつくれるのか――その答えがこの一冊に!
〈目次〉
はしがき
序章 不条理に怒りを!
「俺のようになったいけんよ」と僕が語るわけ/僕が助かると家族が不幸になる社会ほか
第1章 政治に負けて生まれたベーシックサービス
いまだから話せる希望の党への合流問題/お金なんかで人間のあつかいを変えてたまるか!ほか
第2章 私の幸せとあなたの幸せをひとつに
お金持ちが受益者になれば格差は拡大?/甘やかしたらサボるでしょ? という思いこみほか
第3章 できる大改革 できない大改革
特別定額給付金から見えたこと/MMTじゃいけないの?ほか
第4章 新型コロナウイルスが教えてくれたこと
自粛という言葉の恐ろしさ/全体主義の条件を満たしつつある日本ほか
第5章 ベーシックサービス、その先へ
人間が人間らしく生きられる社会/みなさんはソーシャルワークを知っていますか?ほか
あとがき
著/井手英策
【著者プロフィール】
井手英策(いで・えいさく)
1972年、福岡県久留米市生まれ。東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。日本銀行金融研究所、東北学院大学、横浜国立大学を経て、現在、慶應義塾大学経済学部教授。専門は財政社会学。総務省、全国知事会、全国市長会、日本医師会、連合総研等の各種委員のほか、小田原市生活保護行政のあり方検討会座長、朝日新聞論壇委員、毎日新聞時論フォーラム委員なども歴任。著書に『幸福の増税論――財政はだれのために』(岩波書店)、『富山は日本のスウェーデン 変革する保守王国の謎を解く』(集英社)、『欲望の経済を終わらせる』(集英社インターナショナル)、『18歳からの格差論』『いまこそ税と社会保障の話をしよう! 』(いずれも東洋経済新報社)、『ふつうに生きるって何? 小学生の僕が考えたみんなの幸せ』(毎日新聞出版)ほか多数。2015年大佛次郎論壇賞、2016年度慶應義塾賞を受賞。
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