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2019.8.17
『上級国民/下級国民』があぶり出す、現実に進行する「残酷な分断」
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「上級国民」と「下級国民」に分断された社会に希望はあるのか?
「日本社会は上級国民によって支配されている」
「自分たち下級国民は一方的に搾取されている」
今年になってネットで一気に広まった上級国民/下級国民という言葉。
多くの新語が生まれては消えていくなかで、なぜこの言葉が受け入れられているのでしょうか。
それは、まさしく社会が「上級/下級」に分断されていることに、みんな薄々気づいているからに他なりません。
本書の著者は、ベストセラー「言ってはいけない」シリーズの人気作家・橘玲氏。
豊富なエビデンスをもとに、バブル崩壊後、平成の労働市場がどのようにして大量の「下級国民」を生み出したのかを解き明かしながら、
‹‹平成が「団塊の世代の雇用(正社員の既得権)」を守るための30年だったとするならば、令和の前半は「団塊の世代の年金を守る」ための20年になる以外にありません。››(本書より)
と断言します。
‹‹地域社会化・リベラル化・グローバル化の巨大な潮流のなかで、現代社会は、国や歴史・文化、宗教などのちがいにかかわらず、ますますよく似てきました。なぜなら、すべてのひとが同じ目標――よりゆたかに、より自分らしく、より自由に、より幸福に――を共有しているからです。
「後期近代」になって人類史にはじめて登場したこの価値観は、今後もますます強まって私たちの生活や人生を支配することになるでしょう。
その結果、欧米や日本などの先進国を中心に、社会の主流層(マジョリティ)が「上級」と「下級」に分断される現象が起こるようになりました。アメリカではグローバル化にともなって白人中流層が崩壊し、日本では1990年代後半からの「就職氷河期」によって若い男性の雇用が破壊され、中高年のひきこもり(8050問題)が深刻化するなど、国によって「分断」の現れ方は異なりますが、その行きつくところは同じです。
このような未来をどのように生き延びていけばいいのか。››(本書「あとがき」より)
令和の時代に確実にやって来る〝残酷な未来〟――「下級国民」は共同体からも性愛からも排除される一方で、それらを独占するのは少数の「上級国民」――。
この分断社会に希望はないのでしょうか。
著者は「社会的に解決できない問題も、個人的に解決することは可能」だといいます。
そのためには、いまこの社会でなにが起きていて、これからどのような世界がやってくるのか、知っておくことが重要なのです。
「近代の行きつく果て」を予測するための一冊!
こちらは本書の内容の一部です。
■ ひきこもりは100万人ではなく500万人?
■ 中高年ホワイトカラーの失業はわずか5万人
■ 不都合なことはすべて若者の責任
■ 専業主婦願望と早婚傾向
■ 教育の本質は「格差拡大装置」
■ 若い女性の「エロス資本」
■ 「持てる」ことと「モテる」こと
■ 現代社会は「事実上の一夫多妻」
■ 「結婚がつらい」男たち
■ 世界を揺るがす「上級/下級」の分断
■ 「絶望死」する白人たち
■ 「新上流階級」が集まる都市
■ 「新下流階級」がふきだまる町
■ ヤンキーとエリート
■ お金は分配できても性愛は分配できない
■ 「技術」と「魔術」が区別できない世界
著/橘 玲
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