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2019.11.27

「今までとは異なる書き方で、今まで書いたことのない希望を書くこと」『希望という名のアナログ日記』

「今までとは異なる書き方で、今まで書いたことのない希望を書くこと」『希望という名のアナログ日記』

作文の得意な少女は作家への夢を追いかけた

角田光代が「小説家になりたい」と思ったのは小学一年生のとき。

中学生に上がり、国語以外の教科がわからず、「作家にならないと困る」と思うにようになった。

小中高と続けてきた作文修行を昇華させるため、「小説を書かせる」大学へ入学。

そして、目標だった在学中に作家デビューをはたした。

二十代、小さな挫折はありつつも、前向きにとらえ駆け抜けた。

 

‹‹あれ、なんだかへんだ、と気づいたのは、三十歳を過ぎたころだ。小説を書くことが、急に苦しくなってきた。書いても書いても、先に進んでいるという気がしない。以前書いたものの焼きなおしをしている感覚がついてまわる。気がつけば、新人対象の文学賞の候補にもならなくなった。落選続きで傷ついていたけれど、候補にすらしてもらえない、というのに気づくと、自分で思うよりもっと深く落ち込んだ。賞なんて意識しているつもりはなかったから、落ち込んでいる自分にさらに嫌悪を覚える。さらに、今まですべての文芸誌からきていた依頼が、このころにはほとんどなくなっていた。先に進んでいない、という自覚は、主観ではなく客観なのだと思い知らされた。››

 

幾度の挫折を経て、「今までとは異なる書き方で、今まで書いたことのない希望を書くこと」で直木賞受賞。

作家としての半生を振り返る感動的な回想から、愛してやまない忌野清志郎論など全21篇を収録した第一章「<希望>を書く」

 

<旅のエッセイ>と見せかけて実はフィクションという珠玉の名短篇「それぞれのウィーン」で幕を開け、「永遠、という美」と題したシャネル N°5 のドキュメントへ。

そこから台湾、韓国、パリ、スペインへの旅、さらには那覇マラソンと西表島マラソンの鮮やかな記憶を綴った第二章「旅の時間・走るよろこび」

 

住んでいる町の素顔から東日本大震災で失われた町、そして日々の暮らしを生き生きと描いた第三章「まちの記憶・暮らしのカケラ」

 

人の営みを著者ならではの視点で鮮やかに描いた充実のエッセイ集。

 

「この十年くらいにいろいろな雑誌に書かせていただいたエッセイと、ウィーンの記念行事のために書かせていただいた小説ひとつ、が、この本の中身である。同じ雑誌にひとつのテーマで書き続けたものではないから、当然ながら統一感がない・・・・・・と書きたいところだが、こうしてまとめてみると、私は同じことしか書いていないように思える。表現をかえると、私は同じことしか書けないのだろう、ということでもある。それすなわち日々の暮らしとそれに含まれること。この十年であたらしく書くようになったのは、猫とランニングにかんしてだが、どちらも暮らすことに含まれている。そしてその暮らし自体、私の場合はたいへんに地味、かつアナログだ

 

『希望という名のアナログ日記』

著/角田光代

 

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