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2019.10.8
中江有里さん絶賛!! 節操のない社会で働くすべての人へ送る新感覚同僚小説!『きみはだれかのどうでもいい人』
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人とわかりあうことは、こんなにも難しい。
お昼前にホットな情報・ほっとする情報を伝えるNHK総合テレビ「ひるまえほっと」(月~金 11:05~11:54)。
10月9日放送の同番組・人気コーナー「中江有里のブックレビュー」で、本書『きみはだれかのどうでもいい人』が紹介されることが決まりました。
本書は、デビュー作「名前も呼べない」が大きな話題を読んだ太宰治賞作家による渾身の勝負作。
同じ県税事務所に勤める、年齢や立場の異なる女性たちの目に映る日常を、それぞれの視点から描いています。
衝撃の読後感に、中江有里さんをはじめ、各方面から絶賛、反響続々!!
お互いに理解しえない部分があるということが、現実以上にリアルだった――島本理生(作家)
「生きる」ことが得意な人はどこにもいない。
ぼろぼろでぎりぎりの魂たちに触れて、逆に勇気が出ました――穂村弘(歌人)
昨夜、眠られないまま手に取ったら、一気に読了。
凄かった。
このタイトルにぐっときた人は迷わず読むといいと思う――吉田伸子(書評家)
ゾクッとするこの読み応えを多くの読者と分かち合いたい!――内田剛(三省堂書店)
職場の人間関係がまさにタイトル通り。
信じられないくらい感情移入して、最初から最後まで共感していた――30代女性(税務職員)
税金を滞納する「お客様」に支払いを促すことを仕事とする県税事務所の納税担当に、同期が休職したことで急遽異動させられてきた若手職員の中沢環。
彼女は空気の読めないアルバイト・須藤深雪を始めとする周囲の人間関係に気を遣いながら、かつての出世コースに戻るべく細心の注意を払って働いている。
‹‹「あ、あの、すみません。データの入力、まだ、終わってなくて」
「お疲れ様です」
なにも訊かないうちに謝るということは、いろいろと自覚はしているらしい。さすがに「別にいいですよ」とは言ってあげられないけど、優しく微笑んではみせた。大学時代に所属していたボランティアサークルで、児童養護施設の子供たちや老人ホームのお年寄りにそうしたみたいに。
表立って教えられてはいないけど、たぶん須藤さんはここに来る前、病気かなにかだったんだろう。日頃の挙動や急な採用の時期からしてなんとなく察しがつく。それに「そういう」人たちを積極的に雇用して社会復帰を促す風潮は、わたしが人事課にいたころから全庁的にあった。
この仕事の本分は、弱い人は助けること。どんなことも他人事とは思わず、目の前の相手の気持ちになって、奉仕の心で接すること。そう、事あるごとに教えられてきた。
でも、教わるまでもなく、入庁式で主席として新規採用者代表の挨拶をしたときにはもう、わたしは壇上でそんな決意を口にしていた。››――(第1章「キキララは二十歳まで」)
そこにあるのは、絶望か、希望か。
職場で傷ついたことのある人、人を傷つけてしまったことのある人、節操のない社会で働くすべての人へ送る新感覚同僚小説!
著/伊藤朱里
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