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2019.6.26

日本のカレーの正体とは何か?幻の味を追跡する旅へ。『カレーライスはどこから来たのか』

日本のカレーの正体とは何か?幻の味を追跡する旅へ。『カレーライスはどこから来たのか』

「読者は鼻をくすぐるカレーの香りに導かれて共有する」――平松洋子さん
 

うだるような暑さの日も、身震いするような寒さの日も、季節を問わず食べたくなる、いまや国民食と言っても過言ではないカレーライス。

日本には幕末に上陸したといわれていますが、じつはそのルーツはほとんど知られていないんです。

NHK「きょうの料理」「趣味どきっ!」などの講師として絶大な人気を誇るカレー研究家の水野仁輔さんは、いつしか「日本のカレーのルーツを知らずにカレーに関わり続けていることが気持ち悪い」と感じるようになっていました。

 

‹‹日本のカレーの正体とは何かということが気になって気になって、ふと気づくと何をするつもりだったのか忘れてしまっている。地下鉄に乗って幾度となく目当ての駅を通過した。カレーの正体を巡る謎が僕の日常生活を浸食し始めたのだ。いい処方箋はないものか、とカレーの歴史についての本を掘り起こし、片っ端から読み解いてみる。どこにも特効薬は記されていなかった。››

 

居ても立っても居られなくなった水野さんは、ついに、カレーライスのルーツを求めて本格取材開始!

まずは、幕末に黒船が寄港した国内の商用港や軍港を巡る旅に出ます。

 

‹手始めに日本地図を買うことにした。仕事帰りに渋谷にある書店に足を運ぶと、地図は絵本や児童書と学習参考書のコーナーを隔てる柱の脇の段ボール箱に無造作に放り込まれていた。小学生が都道府県を覚えるのに使うようなイラストつきの地図を買って帰り、自宅の壁に広げて画びょうで四隅を留める。10の港を指でなぞりながら数えていた。この10か所のどこかに日本にやってきたカレーの片鱗が眠っているかもしれない。サラリーマンの身分で10の港を巡るのはなかなか大変だが、国内旅行や出張と同じだと思えばやってやれないことはないだろう。時間を見つけて少しずつ進めていけそうだとその時は思った。››

 

カレーの入口である日本国内を調べつくした著者は、カレーの出口を求めて、20年ほど続けたサラリーマン生活を辞め、妻と3人の子どもを日本に残して、海外へ。

はたして150年前に渡来した謎のルートは解明できるのか?

国内外を4年間かけて徹底取材した、笑いあり、歴史的発見あり、のエンタメノンフィクション。

 

解説はエッセイストの平松洋子さん。

「カレーという補助線を引けば、色濃い物語の輪郭が浮かびあがってくる。

本書『カレーライスはどこから来たのか』は、カレーに見初められ、魅入られ、そののちカレー研究家として歩むことになった著者によるノンフィクション作品である。とはいえ、ノンフィクションと呼ぶにはきわめてナイーブで、率直で、無防備で、センチメンタル。自分自身を鼓舞しながら、葛藤や不安や失敗を隠そうともせず、あからさまに綴っていて衒いがない。しかし、犬がごろんと仰向けになって柔らかな白い腹を見せるようすにも似た筆致と展開にこそ、本書の魅力はある。カレー魂を燃やす著者が三十代の終わりに迎えた、脱皮のとき。その私的な出来事を、読者は鼻をくすぐるカレーの香りに導かれて共有する。

カレーをめぐるビルドゥングストーリー(成長譚)である」

 

小学館文庫

『カレーライスはどこから来たのか』

著/水野仁輔

 

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