お知らせ
2018.5.3
辛くて泣きそうな日はご来店ください。『鴨川食堂はんなり』
この記事は掲載から10か月が経過しています。記事中の発売日、イベント日程等には十分ご注意ください。
インスタに上げるのも忘れるほどの、今すぐ食べたくなる料理が待っています!
連続ドラマ化もされた美味しいミステリー最新作第五弾!
京都・東本願寺近くに〝思い出の味〟を探してくれる食堂があるという。
父の鴨川流は料理人、娘のこいしは鴨川探偵事務所所長。
今日も鴨川食堂には、思い出の味を求めてワケアリのお客がやってきた。
第一話 親子丼・・・・・・元彼の忘れられない行動
「黒沢紗香さん。京都の親子丼を探してはるんですね。三年前にお店で食べはった。お店の場所も名前も分からへん。まぁ覚えてはったら、わざわざこないしてうちに頼まんでもええんやし」
第二話 焼売・・・・・・息子への嘘と後悔
「息子さんがアルバイトしてはった、京都の中華料理屋さんが作ってた焼売。大ぶりではごたえあり、と。ヒントはそれくらいかなぁ」
第三話 きつねうどん・・・・・・死神みたいな人生
「甘い味がついた油揚げが入った、ふつうのきつねうどんやったが、出汁がなんともいえんええ味付けで。腹が減ってたせいもあるけど、三人とも汁の一滴も残さんとさらえた」
第四話 おでん・・・・・・かけ違えた心のボタン
「仕事が終わって、屋台のおでん屋さんへ行って大根のおでんを食べる。それをずっと続けてはったさかい、家では晩ごはんを食べはらへんかった。それを何十年も続ける。なんやしっくりきやへんなぁ。仮にその店のおでんが飛びきり美味しいて、口に合うたとしても、そんな通い続けるもんやろか。なんかほかに理由がなかったら続かへんのと違います?」
第五話 芋煮・・・・・・・山中で出会った救いの神
「代金もさることながら、命の恩人といってもいいおばあちゃんにもう一度会いたくて、翌年の雪融けを待って啓介とふたりで月山に行きました。ところがその辺りには食堂どころか、家の一軒も建っていないんです」
第六話 ハヤシライス・・・避暑地の閑かなロマンス
「主人のときは長患いだったから、精いっぱい看病しましたし、自分で言うのも何だけど、尽くし切ったという達成感みたいなものもあった。でも、次郎さんに対してはなんだか悔いが残るのよ。告白してくださったことにも、一緒にハヤシライスを完成させようとおっしゃったことにも、何ひとつお応えできないまま、こんな結末を迎えてしまった。だから・・・・・・」
相談に来たお客に供される食堂とは思えないおまかせ料理+思い出の一食からなる人情劇×謎解きミステリー。
盛りだくさんなメニューを鴨川流・こいし親子が見事に捜し出します。
優しさも特盛!
思い出の一食が体中にしみわたったとき、心の靄が晴れて、新たな一歩を踏み出せるように!
辛くて泣き出しそうな日は、ぜひご来店ください。
小学館文庫
著/柏井壽
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