
田中花実は中学2年生になった。前作『太陽はひとりぼっち』からのバディ、佐知子とは相変わらず仲良し。ある日、2人は謎めいた少女と出会う。よかれと思って少女のために行動した2人だが、予期しなかった深い社会問題に踏み込んでしまう結果に。笑いあり、涙あり、生きることへの肯定感を滲ませる「るりかワールド」はより広がり、深みを増す。
デビュー作『さよなら、田中さん』、前作『太陽はひとりぼっち』でも、名脇役として登場する2階の住人・賢人が主役の物語。相変わらずむさ苦しく、世捨て人となっている賢人がある日突然恋に落ちる。そのお相手とは……?そして、その恋が、彼の生活、人格すべてを変えていく。賢人がみつけた鮮烈な「恋」の行方は……?
上記の「遠くへ行きたい」を受けて誕生した作品。授業の一環、職場体験で出会った「ぶーさん」。彼女は、花実のお母さん・真千子の昔を知る人物だった。実の娘の花実にすら一切語らない、真千子の壮絶な過去の一端がひも解かれる。そこで描かれる真千子の少女時代。そして、その時代から続く熱い想い、絆に心がふるえる1編。