

田中花実は、中学生になった。お母さんと相変わらずビンボーながら、大笑い大食らいな日々を送っている。ある日、家の前に見慣れぬスーツ姿の男性が。この人は一体……? そしてまた別の日には、見知らぬおばあさんが座り込んでいた。次々登場する謎の登場人物。一つ一つの事件の裏側には、それぞれの想い、悩み、葛藤があった。生きることへの希望を謳う「るりか節」は健在!!

デビュー作「さよなら、田中さん」最終章で鮮烈な印象を残した三上信也くん。中学受験に全落ちし、毒親である母親から山梨県にある全寮制のカトリックスクールに送られた、彼の現在は? 誰もが気になる、信也くんのその後が描かれる。憧れの花実ちゃんとの、とある夏の日のデート(?)シーンも微笑ましい!

「さよなら、田中さん」で花実に大きな影響を与え、数々の名言を誕生させた木戸先生の物語。オカルトに傾倒し、不思議な話ばかりしている木戸先生のルーツが解き明かされる。先生の人生における唯一の固執、謎が見事に解明されるラスト。全編を通してテーマとなっている、太陽の光が物語に陰影を与える。