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2019.11.12

暴力団取材のプロによる「反社」会学入門の書。『教養としてのヤクザ』

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暴力団取材のプロによる「反社」会学入門の書。『教養としてのヤクザ』

私たちの知らないところで〝彼ら〟と社会はつながっている・・・

暴力団は今もしっかりオモテの経済に寄生している。

たとえば近いところでは、「タピオカドリンク」が大ブームの最中、このデンプンでできた黒い塊が暴力団の新たな資金源になっている、という記事が大きな話題になった。

彼らが食い込んでいる食品は、タピオカだけではない。

暴力団取材の第一人者である溝口 敦氏と、「サカナとヤクザ」がベストセラーになった鈴木智彦氏が、その実態を明かす。

 

鈴木 サカナ以外にヤクザが絡んでいる食品って、何かありますかね?

溝口 米はどうか。ありえないか。

鈴木 実家が農家というヤクザはたくさんいますけどね。実家がブドウやナシを作っているとか。

溝口 だけど、ヤクザとして農業には食い込んでいない。

鈴木 法律で「有機野菜を作るのが禁止」となったらヤクザは有機野菜を作るでしょうね。ありえないけど。

溝口 彼らが栽培するのは大麻ぐらい。

鈴木 私が取材したなかでは、首都圏でそこそこ知られた喫茶店チェーンを暴力団組員が経営していたという例がありましたし、有名なおにぎり店が山口組傘下系列のフロント企業だったこともありますね。

一昔前の話ですが、バターをたっぷり使った食パンがブームになったとき、関西の有名店を経営していたのが、実は九州の指定暴力団だったということがありました。当時、私がいたヤクザ専門誌にその団体の幹部が連載をしていたので、編集部にはいつもそのパンが差し入れされていました。けっこう旨かったです。今、高級食パンブームが起きているから、またやっているかもしれません。

 

私たちが知らないだけで、ヤクザは飲食以外にも、食肉や漁業、土木建築、人材派遣など、社会のあらゆる場所にドアをもっている。

この本では、彼らと社会とのさまざまな接点を通じて、「教養としてのヤクザ」を学んでいく。

本書のテーマは、以下のとおり。

 

〈ヤクザと食品〉新たな資金源はタピオカドリンクだった

〈ヤクザと副業〉現代の賭場はLINEのゲームである

〈ヤクザと五輪〉東京五輪バブルを最も待ちわびる面々

〈ヤクザと選挙〉政治家が頼る禁断の集票マシーン

〈ヤクザと教育〉大学教授にはなぜかヤクザマニアが多い

〈ヤクザと法律〉山口組組長は憲法を熟読している

〈ヤクザとメディア〉闇営業で反社側が追及されない理由

〈ヤクザと平成〉震災、オウム、北朝鮮とヤクザの関係

〈ヤクザと令和〉山口組分裂によって暴力団は絶滅するのか

 

暴力団取材に精通した二大ヤクザライターによる「〝反社〟会学入門」の集中講義、ここに開幕!!

 

小学館新書

『教養としてのヤクザ』

著/溝口 敦 著/鈴木智彦

 

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