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2018.7.1

試作品は与謝野晶子も岡本太郎も飲んだ!『カルピスをつくった男 三島海雲』

試作品は与謝野晶子も岡本太郎も飲んだ!『カルピスをつくった男 三島海雲』

カルピスのルーツはモンゴルにあった!?

最近ではマツコ・デラックスさんが「休日に3リットルくらい飲む」と発言したことで話題になった「カルピス」。

この誰もが知る国民飲料が、いつ、誰の手によってつくられたのか知っていますか?

カルピスが誕生したのは99年前、産みの親は三島海雲(みしまかいうん)。

彼は1878年に貧乏寺の長男として生まれました。

日露戦争前の1902年、日本語教師として中国大陸に渡り、その後、北京で雑貨を売買する行商会社を起業。

中国とモンゴル高原を行き来してさまざまな事業を手掛けるようになった三島はある日、遊牧民から乳製品を振る舞われ、未知なる味わいに衝撃を覚えます。

日本に帰国後、乳製品事業を立ち上げた彼は、カルピスの開発に着手。

プロトタイプをたくさんの人たちに振る舞いますが、その中には与謝野鉄幹、晶子夫妻も!与謝野晶子は日本初の乳酸菌飲料の感想を二首の歌にしています。

 

<カルピスを友は作りぬ蓬莱の薬というもこれにしかじな>

<カルピスは奇しき力を人に置く新しき世の健康のため>

 

試行錯誤を続け、1919年7月7日――七夕に日本初の乳酸菌飲料カルピス発売!

 

三島海雲のスケールの大きな生き方に引き込まれた著者は、彼について書かれた書物を探してみましたが、50年近く前に刊行された自伝がいくつかあるだけ。

本格的にまとめられた評伝は見つからず、同社OB、遺族のもとを訪ね、遂にはカルピス誕生の地モンゴルに飛びます。

そこには、百年前の旅人・三島海雲を語り継ぐ現地民が・・・。

 

著書に、「捕るか護るか?クジラの問題 -いまなお続く捕鯨の現場へ-」(技術評論社)、「東北魂 ぼくの震災救援取材日記」(東海教育研究所)、「それでも彼女は生きていく 3.11をきっかけにAV女優となった7人の女の子」(双葉社)などがあるノンフィクションライターが、近代日本を軽やかに駆け抜け、遊牧民の生活から夢の乳酸飲料を着想した男の生涯を辿る人物評伝。

 

‹‹国利民福は、企業は国家を富ませるだけでなく、国民を豊かに、そして幸せにしなければならないという三島が唱えた経営理念だ。経営者が当たり前に持つべき思想だと感じる。だが、いま、新自由主義がもたらした格差と分断が広がる社会で、社会や他者を顧みる余裕は奪われてしまったのではないか。自己を最優先しなければ、競争を生き抜けない。

だからこそ、国利民福を貫いた三島海雲を知ってほしいと思った。何よりも三島が辿った道は、私たちが生きるいまにつながっている。››(著者「あとがき」より)

 

会社の売上げより国の豊かさ、そして日本人の幸せをひたすら願ったカルピス社創業者・三島海雲。

カルピス誕生99年の節目に、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。

 

 

『カルピスをつくった男 三島海雲』

著/山川徹

 

〈目次〉

序章 カルピスが生まれた七月七日に

 

第一章  国家の運命とともに

一 仏像を焼き棄てた少年

貧乏寺に生まれて/「お寺のぼん」への反発/親鸞の言葉/

小学校中退/僧侶のエリート機関

 

二 学僧たちの青春

師との出会い/自然のような人間になれ/フランクさん/        

大陸へ/大谷探検隊/青雲の志

 

三 日本語教育の名の下に

中国初の日本語教師/入学条件は二つだけ/

清国への恩返し/大陸浪人/母の死

 

四 山林王と蒙古王

日本の山林王/たった一度のウソ/新婦は小学校教師/

従軍布教使たち/蒙古で金鉱探し/二つのモンゴル

 

第二章  草原の国へ

五 死出の旅路

居庸関と古北口/若き冒険者たち/蒙古人の蒙古/蒙古王、再び/

長男の名のルーツ/王者の食物/元朝最後の皇帝/重々無尽

 

六 遊牧民という生き方

珍産物/一〇〇年前と変わらぬ製法/学問と旅の融合/

SNSを操る遊牧民/失われた風景

 

七 別れの日

一生のうちで一番ひどいこと/大隈重信の支援/

メリノの行方/陳情書/語り継がれる記憶/妻、倒れる

 

第三章  戦争と初恋

八 カルピス誕生と関東大震災

醍醐味合資会社/山本権兵衛、岩崎小彌太も/

与謝野晶子の一首/当初はカルピル/関東大震災

 

九 健康と広告の時代

娘の死/ヘソ焼き/二匹目のドジョウ/トレードマーク/

初恋の味/愛国詩人への手紙/ムッソリーニとも交流/

味の素に経営権を奪われる/酸っぱい時代/満洲カルピス設立

 

十 焦土からの再生

琴との再婚/少年社員/四〇〇人分のスイカ玉/銀座移転

 

十一 東京オリンピックを迎えて

緒方竹虎の書生/ソノシート/「冒険をしなさい」/

日本一主義/祖父の肖像/全財産を寄付

 

第四章 最期の仕事

十二 仏教聖典を未来に

オープンリールテープ/あと二〇年は働きたい/日本人のために

 

十三 父と子

女性も自立しなければ/逆らう長男/満洲からの引き揚げ/

日露戦争の思い出/「耳をかたむけよ!」/

天行健なり/最期の言葉

 

終章 一〇〇年後へ

カルピスの里帰り/タイムカプセル

 

あとがき

 

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