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2018.6.17
蓮舫はどこからやってきたか?在日台湾人のファミリーヒストリー。『タイワニーズ 故郷喪失者の物語』
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日本は台湾を二度も捨てたが、タイワニーズのおかげでつながり続けた。
2017年、民進党(当時)・代表の蓮舫氏の「二重国籍問題」が取り沙汰されました。
その是非はともかく、メディアやネットで取り沙汰されたやりとりを眺めていると、日本人は、在日台湾人が歩んできた道をほとんど知らないのではないかという思いを抱きました。日本は台湾を二度も捨てた、と台湾では言われているのをご存知でしょうか。
一つはポツダム宣言による台湾の放棄、もう一つは1972年の中華民国との断交。
それでも両国がつながり続けたのは、両国を行き来した「人(タイワニーズ)」のおかげである、と筆者は述べます。
‹‹戦前は「日本」であった台湾。戦後に「中国」になった台湾。
1990年代の民主化後に自立を目指す台湾。戦争、統治、冷戦。常に時代の風雨にさらされ続けた日本と台湾との関係だが、深いところでつながっていることができた。それはなぜか。
台湾と日本との間を渡り歩いて「結節点」の役割を果たす、多様な台湾出身者の存在があったからである。››(本書「まえがき」より)
彼らがいたから、日本と台湾は強く、深くつながり続けたのです。
「取材者としての私を長年にわたって夢中にさせた」タイワニーズの肖像を元朝日新聞台北支局長の筆者が、「故郷喪失者」の物語として描きます。
蓮舫一族のルーツからジュディ・オング、余貴美子の生い立ち、料理を通じてつながる両国など、興味深いテーマが盛りだくさんです。
<目次>
第一章 政治を動かす異邦人たち
蓮舫はどこからやってきたか
日本、台湾、中国を手玉にとる「密使」の一族 辜寛敏&リチャード・クー
第二章 台湾で生まれ、日本語で書く
「江湖」の作家・東山彰良と王家三代漂流記
おかっぱの喧嘩上等娘、排除と同化に抗する 温又柔
第三章 芸の道に羽ばたく
究極の優等生への宿題 ジュディ・オング
客家の血をひく喜びを持って生きる 余貴美子
第四章 日本の食を変革する
「551蓬莱」創業者が日本にみた桃源郷 羅邦強
カップヌードルの謎を追って 安藤百福
第五章 帝国を背負い、戦後を生きる
3度の祖国喪失 陳舜臣
国民党のお尋ね者が「金儲けの神様」になるまで 邱永漢
最終章 タイワニーズとは
著/野嶋剛
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