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2016.9.30
「日本ってそんなにすごい国? 」日本史と世界史の2大巨頭が日本特殊論に異を唱える『世界史としての日本史』
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キーワード: 日本史 世界史 半藤一利 出口治明 戦争 日本特殊論
日本史と世界史の2大巨頭が初対談!
世界史に造詣が深いライフネット生命会長・出口治明氏と、
『日本のいちばん長い日』などで知られる日本近現代史の歴史探偵・半藤一利氏の初対談が実現!
日本人の歴史観をくつがえす世界の見方を伝授します。最近、新聞、テレビなどさまざまなメディアで展開されている日本特殊論。日本のなかに自画自賛の空気が広がっている状況に違和感を覚えるというふたりは、世界史のなかに日本の歴史をきちんと位置づけた場合、そんなに日本ってすごい国だったのだろうか? と疑問を投げかける。
出口 日本に長く住んでいる外国人の方から聞いた話なのですが、「『自分の母国はこんなにひどいけれど、日本はこんなに素晴らしい』という本を書けば、軽く100万円は稼げる」とか「どこの出版社も飛びついてくる」という冗談がはやっているそうです(笑い)。部分的には事実なのでしょうね。
半藤 事実でしょうね。それにしても情けなくなりますね。
出口 これは戦後日本のアイデンティティが失われたからだと思うのです。
* *
半藤 これは私の「四十年史観」という見方なんですけどね。日露戦争の勝利から1945年8月15日の敗戦までが、おおよそ40年なんです。
それから、GHQの占領が終わった1952年から、強兵を捨てて富国だけを追い求め、ジャパン・アズ・ナンバーワンといわれ、バブルが崩壊するまでの大国日本の時代までがまた40年。
最初の40年は軍事大国でいい気になったガチンとやられて、次の40年は経済大国でまたいい気になってやられて、2回ボロ負けして、凹んでいるのが今の日本なんだと思う。
今「日本は素晴らしい」と言っているのは、2回も負けたという劣等感を払拭するための単なる防御反応ではないでしょうか。
出口氏はまた、2016年1月に「『全世界史講義』Ⅰ、Ⅱを上梓したところ、読者から「日本の記述が少ない」と指摘されたことがあるそう。
出口 もちろん、南北に長くて、美しい自然があって、海の幸や山の幸が豊かで、素晴らしい国だと思いますが、少なくとも最先端の地域ではなかったといわざるをえない。しかし、特産品を何ももっていなかったおかげで、長い間、侵略を受けずにすんでいたとも言えるわけです。世界のなかでは田舎だったから、長い間安定してみんなが普通に暮らしていたのです。
なぜ日本は戦争の歴史から目を背けるのか?
日本が負けた真の理由は?
日本もかつてはISと同じことをやっていた?
戦後、日本人はずっと無教養だった。
世界史のなかから、世界における日本の地位や立場を正しく理解しなければ、日本はかつてのように周回遅れの国になる。
世界をきちんとみてまわれば、これから何をすべきかみえてくる!
今こそ、世界から学ぶべきとき!
現代に必要な教養に触れる一冊。
小学館新書
著/半藤一利 著/出口治明
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