お知らせ
2019.9.26
企業から嫌われるジャーナリスト、アマゾン再潜入!!『潜入ルポ amazon帝国』
この記事は掲載から10か月が経過しています。記事中の発売日、イベント日程等には十分ご注意ください。
過酷な労働環境、弱肉強食的発想、税金逃れ、秘密主義・・・・・・日本市場をのみ込む巨大企業の正体
「アマゾン・エフェクト」。
アマゾンがあらゆる企業や産業をのみ込み、競合店が窮地に追いやられることを意味する言葉だ。
いまこのアマゾン・エフェクトによって、スーパー、コンビニ、ドラッグストア、家電量販店、スポーツ用品店・・・・・・日本の小売りビジネスが窮地に追い込まれている。
しかし、これだけ社会に大きな影響を与えているのに、アマゾンの実像はなかなか見えてこない。
そこで、かつて「潜入ルポ アマゾン・ドット・コム」を執筆するためアマゾンに潜入し、センセーションを巻き起こしたジャーナリストの横田増生氏が、ふたたび内部に潜ることを試みた。
‹‹アマゾンが立ち上げ当初から大きな変貌を遂げていることは、利用者の立場から肌で実感できる。しかし、実際にどのような変容を果たしてきたのか。その全貌は、アマゾンが大きくなりすぎて、新聞や雑誌報道だけではなかなかつかみづらい。
そこで、もう一度、アマゾンについての書籍を書いてみようと考えた。私が潜入取材をした15年前と比べ、アマゾンはどのように変わったのか。現状のアマゾンは一体どのような企業に変化したのか。
手がかりとして、もう一度、アマゾンの物流センターに潜入してみよう。潜入取材に必要な道具として、メガネ型ビデオカメラやSDカード、歩数計つき腕時計やノートなどをアマゾンで買い込んだ。
しかし、今回の取材の対象は、物流センターだけにとどまらず、アマゾンの利益の源泉となっている《アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)》や租税回避の戦略、《マーケットプレイス》の出品者やアマゾンのサイト上で横行するフェイクレビューなどを考えている。できるだけ多角的にアマゾンをとらえたい。
懸念材料は、アマゾンが取材に対して後ろ向きな企業であるということだ。ニューヨーク・タイムズ紙のコラムニストは、アマゾンのことを「最も秘密主義のテクノロジー企業」と呼んだ。
しかも、私には、アマゾンの秘密が詰まった物流センターに半年間潜入して書籍を書いたという〝前科〟がある。加えて、その後、ユニクロやヤマト運輸などの企業のノンフィクションを書くうち、私には〝企業から嫌われるジャーナリスト〟というレッテルが貼られるようになった。››
著者は、誰でも合格する面接を受け、日本で一番大きな小田原の物流センターに潜入。
さらに、即日配送、カスタマーレビュー、マーケットプレイス、AWSなど、アマゾンのさまざまな現場に忍び込み、「巨大企業の光と影」を明らかにしていく。
本書の目次は以下のとおり。
第1章 15年ぶり2度目の巨大倉庫潜入
私が2度目に潜入したのは、日本国内で最大の小田原物流センター。
「東京ドーム4個分」というセンターの中には、アルバイトの働きぶりを見張る仕組みが張り巡らされていた。
第2章 アマゾンではたらく社員の告発
小田原物流センターでは、稼働から5年で5人のアルバイトがセンター内で死亡していた。
こうした事実が報道されることはほとんどなく、死亡事故は葬り去られてきた。
亡くなる直前のアルバイトたちの様子を、遺族に訊いた。
第3章 宅配ドライバーは二度ベルを鳴らす
ヤマト運輸による多額の未払いサービス残業代が発覚した17年以降、アマゾンは配送戦略を変えざるを得なくなった。
私はヤマトと《デリバリープロバイダ》と呼ばれる中小業者の助手席に乗り、ドライバーの話を聞いた。
第4章 ヨーロッパを徘徊するアマゾンという妖怪
イギリスとフランス、ドイツの3か国を回り、アマゾンに対峙するヨーロッパについて尋ねて回った。
私と同じくアマゾンの物流センターに潜入したジャーナリストや、ストを打ち続ける労働者たちに出会った。
第5章 ジェフ・ベゾス あまりにも果てなき野望
裸一貫からアマゾンを立ち上げ、今では世界一の富豪となったベゾスとはどういう人物か。
アマゾンを立ち上げた動機は。
どんな原理原則でベゾスは働いているのか。
ベゾス自身の言葉からその人物像に迫る。
第6章 わが憎しみのマーケットプレイス
アマゾンの主力事業の1つであるマーケットプレイス。
だが、出品者たちはどのような気持ちで商売をしているのか。
そこには、利用者にはうかがい知れないアマゾンとの愛憎物語があった。
第7章 フェイクレビューは止まらない
前章で、アマゾンに〝搾取〟されるマーケットプレイス出品者の悲哀を取り上げたが、一方でグレーな裏技を使って自らの商売を有利に進めようとする出品者と、対価を得てそれに加担するレビュアーたちがいる。
第8章 AWSはAIアナウンサーの夢を見るか
アマゾンの利益の大部分をたたき出すAWS事業。
日本でも数多くの企業が導入している。
知らない間に、新聞の見出しばかりか、記事までAWSを使ったAIが書き、ラジオのニュースまで読み上げる。
第9章 ベゾスの完全租税回避マニュアル
法人税や国内の売上税を支払わないよう死力を尽くすアマゾン。
それはベゾスが創業前から温めてきた企業成長の〝秘策〟だった。
しかし、その姿勢はアメリカや日本などの各国政府と摩擦を起こしてきた。
第10章 〝デス・バイ・アマゾン〟の第一犠牲者
日本上陸以来、出版業界で成長をつづけてきたアマゾン。
日本最大の〝書店〟となった同社は、取次や出版社を巻き込んで、自社の利益の最大化を図ろうとする。
果たして、アマゾンの利益は、利用者の利益に直結するのか。
このままアマゾンに日本市場の大半をエフェクトされてもOK?
いまこそ、巨大企業の正体を知るべきとき!
著/横田増生
★こちらもオススメ!
・アマゾン、ユニクロに潜入した著者が「宅配戦争」の闇をあばく!小学館文庫『仁義なき宅配 ヤマトVS佐川VS日本郵便VSアマゾン』
・「戦後最大のフィクサー」と呼ばれた男の自叙伝『海峡に立つ 泥と血の我が半生』
・『上級国民/下級国民』があぶり出す、現実に進行する「残酷な分断」
・築地市場から密漁団まで、決死の潜入ルポ!『サカナとヤクザ 暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う』
・「私が大衆を熱狂させるのは、大衆を、私の政治の道具にするためである」『ヒトラーの正体』
関連リンク