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2017.10.20

「いつかあの魚を釣ってみたい!」。幼い頃抱いた夢を実現し、震災復興のために奮闘する青年の感動ノンフィクション!『サケが帰ってきた!』

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キーワード: 東日本大震災 釣り サケ 復興 レジャー

「いつかあの魚を釣ってみたい!」。幼い頃抱いた夢を実現し、震災復興のために奮闘する青年の感動ノンフィクション!『サケが帰ってきた!』

‹‹謙太郎くんは子どもの頃、地元の川で釣りをしていると、得体の知れない怪魚に出会いました。

「いつかあの魚を釣ってみたい」

いきなり彼の夢は膨れ上がりました。それがサケ(標準和名シロザケ)だったのです。

のちにサケは法律で獲ってはいけないことを知りましたが、いつかそのサケを釣ってみたいと思うようになりました。››(著者「はじめに」より)

 

福島県双葉郡楢葉町の木戸川には、毎年大量のサケが遡上してきます。

そこにあるのが木戸川漁業協同組合。

鈴木謙太郎さんは高校卒業後、木戸川漁協に就職します。

責任ある仕事もまかされるようになってきたある日、経営が悪化したはじめた漁協を立て直す策として、組合長がサケの釣獲調査を提案(釣獲調査とは、サケ有効利用事業のひとつで、釣りによってサケがどれだけ釣れるかを調査すること。一般人は法律で捕獲が禁止されているサケを調査目的で捕獲します)。

この提案に鈴木さんは心を躍らせます。

 

「ずっと願っていたサケ釣りを早く木戸川で行いたい」

 

しかし、町の職員や役員からの反発は予想以上に大きなものでした。

 

「誰が管理業務をやるんだよ?」

「お客さんが来なかったらどうするの?」

「失敗したら誰が責任取るの?」

 

鈴木さんは強引に理事たちを説得し、ついに、2003年から県に許可をもらって、「木戸川サケ有効利用釣獲調査」がスタートしました。

一日50名のところ、300名近くの応募が殺到するなど、事業は無事成功!

さらにマスコミにも取り上げられて、この福島県の小さな町を流れる川は全国的に有名に!

 

ところが、すべてが順調に見えた矢先、2011年の東日本大震災発生。

津波の被害はもとより、福島第一原発に近かった木戸川漁協は壊滅的な被害を受けました。

鈴木さんは復興のために立ち上がります。

 

「もう一度サケを呼び戻すんだ!」

 

木十川漁協に勤める鈴木謙太郎さんを主人公とした、努力と奮闘の感動ノンフィクション!

著者はサケマス魚類専門。東京海洋大学客員教授の奥山文弥先生。

木戸川漁協とは震災前から親交があり、ボランティアなどを通じて木戸川の復交を支えてきました。

 

‹‹読者の皆さんが釣りに関心があるかどうかは別として、謙太郎くんが釣りを通じて様々な経験をし、そしていろんな人に出会い、親しみ合い、助け合い、成長していったことは事実です。彼の人生を大きく変えたのは間違いなく釣りとサケです。

もし彼が釣りをしていなかったら、彼がサケと出会っていなかったら、筆者も彼と出会っていなかったでしょう。››(著者「おわりに」より)

 

東日本大震災、そしてサケ猟の復興――魂ゆさぶる人間ドラマ!!

 

『サケが帰ってきた!

福島県木戸川漁協震災復興へのみちのり』

著/奥山文弥  監/木戸川漁業協同組合

 

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