小学館では、「開かれた読書を目指して」「すべての人に本を」をキーワードに、一人でも多くの方にコンテンツを届けるため、アクセシビリティに関する取り組みを進めております。
2025年度におこなったアクセシビリティ、読書バリアフリーに関連する取り組みをご紹介いたします。
1 バリアフリーでたのしむ名探偵コナン
2 オーディオブック累計2400点突破、ジャンルも増強
3 点字図書館・電子図書館との連携
4 バリアフリー図書展開強化
5 バリアフリーに関する情報発信
6 バリアフリールート公開
7 小学館グループでの取り組み
1 バリアフリーでたのしむ名探偵コナン
2024年にはドラえもん関連コンテンツのバリアフリー展開を開始、拡大図書の刊行やオーディオブック化を実現しました。本年は、名探偵コナンシリーズのバリアフリー展開を開始いたしました。
弱視をはじめさまざまな立場の児童向けの拡大図書シリーズとして、2024年に読書工房から創刊された「読書工房めじろーブックス」。同シリーズから、小学館ジュニア文庫で刊行中のノベライズ作品のうち『名探偵コナン 怪盗キッドセレクション 月下の予告状』が第一弾として12月23日に刊行となります。読みやすく大きなフォントを使用した紙面で、名探偵コナンのノベライズ作品を楽しむことができます。
「人気コミック「名探偵コナン」のノベライズを大きな文字で読める「めじろーブックス」で!」(読書工房)
https://d-kobo.jp/blog/detail/60
オーディオブック化にも着手し、来春には第1弾として、『名探偵コナン 怪盗キッドセレクション 月下の予告状』のオーディオブック版を配信開始します。来年以降もシリーズ作品のオーディオブック化を継続、順次配信してまいります。
今後も、関係者のみなさまと連携しながら、名探偵コナン関連作品をバリアフリーに楽しんでいただける試みを広げていきます。
2 オーディオブック累計2400点突破、ジャンルも増強
冊子本、電子書籍に次ぐ第3の読書形態として、バリアフリーの観点からも注目を集めるオーディオブック。小学館では2018年からオーディオブック市場に本格参入、小学館グループ内での制作体制を強化し、点数増・ジャンル拡大に取り組んできましたが、本年、累計2400作品(※)突破を達成しました。
※2025年12月時点での累計作品数。「小学館の名作文芸朗読」シリーズを含む。
本年は、2025年本屋大賞にノミネートされた3作品を含む、以下のような話題作の配信を開始しました。
早見和真『アルプス席の母』 *2025年本屋大賞ノミネートのベストセラー
一穂ミチ『恋とか愛とかやさしさなら』 *2025年本屋大賞ノミネートのベストセラー
鈴木俊貴『僕には鳥の言葉がわかる』 *「書店員が選ぶ ノンフィクション大賞」他を受賞したベストセラー
宮島未奈『それいけ!平安部』 *2024年本屋大賞受賞作家のベストセラー
朝井リョウ『生殖記』 *2025年本屋大賞ノミネート、キノベス!2025第1位のベストセラー
小学館オーディオブック配信点数 2,000点突破 ── 本屋大賞ノミネート作品など話題作品も続々オーディオブック化 ──
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003069.000013640.html
12万部突破の大ヒット科学エッセイ『僕には鳥の言葉がわかる』(著:鈴木俊貴、小学館)オーディオブック配信開始!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003243.000013640.html
朝井リョウ『生殖記』オーディオブック配信開始!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003431.000013640.html
Audible、衝撃の“語り手”で人間を描く、朝井リョウ著『生殖記』を声優・福圓美里の朗読により11月21日より配信開始(Audible)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000297.000036126.html
昨年から本格的に開始しましたドラえもん作品のバリアフリー展開は、本年も継続しており、最新の映画作品を含む以下の作品のオーディオブックの配信を開始しました。
『小説 映画ドラえもん のび太の新恐竜』原作/藤子・F・不二雄 脚本/川村元気 著/涌井学
『小説 映画ドラえもん のび太の月面探査記』原作/藤子・F・不二雄 著/辻村深月
『小説 映画ドラえもん のび太の絵世界物語』原作/藤子・F・不二雄 著・脚本/伊藤公志 監督/寺本幸代
『小説 映画ドラえもん のび太の宝島』原作/藤子・F・不二雄 脚本/川村元気 著/涌井学
「『小説 映画ドラえもん のび太の宝島』のオーディオブック配信が開始!」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003444.000013640.html
2024年に配信開始しました、ドラえもん関連作品のオーディオブック第一弾、『小説 映画ドラえもん のび太と空の理想郷』が、オーディオブック大賞2025(主催:オトバンク)の特別部門、特別賞準大賞を受賞しました。
「小説 映画ドラえもん のび太と空の理想郷」オーディオブックが「audiobook.jp特別賞」準大賞を受賞!(ドラえもん公式サイト|ドラえもんチャンネル)
https://dora-world.com/contents/4033
「「オーディオブック大賞2025」授賞式を開催 受賞作品著者の新庄耕様、香住泰様、片野秀樹様ら登壇」(オトバンク)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000561.000034798.html
オーディオブックをまだ試したことがないという方にも気軽に聞いていただけるよう、YouTubeに試し聞き用のチャンネルを用意しました。ぜひ実際にオーディオブックを体験してみてください。
小学館オーディオブック
https://www.youtube.com/@audio_sho
オーディオブックを楽しむために重要な、販売ストア、アプリなどのアクセシブル対応についても、事業者様と協力しながら、引き続き、改善に取り組んでいきます。
3 点字図書館・電子図書館との連携
5月には川崎市視覚障害者情報文化センターとのコラボで、オーディオブックの紹介イベント「オーディオブック・サロン」を開催。障害当事者のみなさんや、ご家族などの支援者のみなさんに、オーディオブックを体験いただく機会をつくりました。
今後は、同センターだけでなく、その他の支援機関・施設・団体とも連携し、アクセシブルな読書手段としてのオーディオブックを広げる取り組みを継続していきます。
【小学館×川崎アイeyeセンター コラボ企画】バリアフリー声の図書体験イベント「オーディオブック・サロン」を開催します(川崎市視覚障害者情報文化センター)
http://www.kawasaki-icc.jp/news/backnumber.html#20250401_abs
※川崎市視覚障害者情報文化センターは社会福祉法人日本点字図書館が川崎市より指定管理を受けて運営している施設です。
全国で導入が進んでいる電子図書館。電子図書館でのオーディオブック配信が2024年に本格的に始まり、小学館のオーディオブック作品も電子図書館で楽しめるようになりました。
そのような動きを受け、本年11月に横浜で開催された第27回図書館総合展では、図書館流通センター(TRC)主催のフォーラム、TRCブース内のミニセミナーに弊社担当者も登壇し、主に図書館関係者のみなさんに電子図書館でのオーディオブック利用について、ご案内しました。
TRCブース内ミニセミナー「オーディオブックで語る電子図書館(小学館×DNP)」
https://www.trc.co.jp/sogoten2025/booth.html
TRCフォーラム 電子図書館サービス「新たな読書スタイルを目指して」
https://www.libraryfair.jp/forum/2025/1849-0
電子図書館を導入している図書館でも、実際に利用できるオーディオブックのタイトル数は決して多くはないのが現状です。電子図書館事業者のみなさま、図書館関係者のみなさまとの連携を強化しながら、図書館でのオーディオブック利用を広げるよう、引き続き努めていきます。
4 バリアフリー図書展開強化
弱視をはじめさまざまな立場の児童向けの拡大図書(大活字本とも)シリーズとして、2024年に「読書工房めじろーブックス」が読書工房から創刊されました。
同シリーズからは、複数の小学館ジュニア文庫作品が刊行されていますが、本年は『世界名作シリーズ 宝島』(作/スティーヴンソン 訳/代田亜香子 絵/日本アニメーション)が刊行されました。
読書工房 https://d-kobo.jp/
大活字本を長く手がけてきた大活字文化普及協会からは、本年、夏川草介『本を守ろうとする猫の話』『始まりの木』『臨床の砦』が刊行されました。
大活字文化普及協会 http://www.daikatsuji.co.jp/
2022年に対応を開始しましたテキストデータ提供(本を購入されたお客様から申し込みがあった場合、テキストデータを提供する取り組み)については、対象書籍を増やしています。本年から、小学館文庫・小学館新書もテキストデータ提供への対応を開始しました。
小学館新書のアクセシビリティへの取り組みについて
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003280.000013640.html
児童書では、12月に刊行されました『ポケモン サイエンスブック みず・こおり』『ポケモン サイエンスブック でんき』の2点でテキストデータ提供に対応しました。同シリーズは続刊が予定されていますが、以降の巻でもテキストデータ提供に対応予定です。
テキストデータ提供は、定期刊行物ではまだまだ事例が少ないとされますが、2024年11月に創刊となりました新文芸誌『GOAT』はテキストデータ提供に対応しました。
日本点字図書館のご協力を得てテキストDAISY版の提供にも対応し、Audible社のご協力を得てオーディオブック化も実現しました。
『GOAT』 https://dps.shogakukan.co.jp/goat
「大反響の小学館の文芸誌「GOAT」「GOAT meets」、本日オーディオブックを一斉リリース!」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003474.000013640.html
読書に困難をお感じの方にも本・雑誌を楽しんでいただけるよう、今後もバリアフリー図書の展開を広げています。
5 バリアフリーに関する情報発信
本社ビル2階のロビーにバリアフリー図書の展示コーナー「小学館のアクセシブル・ブックス」を新設しました。
昨年スタートした、読書バリアフリーに関連した情報発信を柱のひとつとするWebメディア「読書百景」。公共図書館・学校図書館・点字図書館・盲学校などの支援施設・機関を取材、読書バリアフリーの取り組み内容を紹介する「読書バリアフリーをめぐる旅」の掲載を「読書百景」上で開始しました。
「読書百景」 https://dokushohyakkei.com/
「読書バリアフリーをめぐる旅」
オーテピア高知 https://dokushohyakkei.com/n/n690c73be9cd4
大阪市立中央図書館 https://dokushohyakkei.com/n/nd2bea867388a
大阪府立中央図書館 https://dokushohyakkei.com/n/ne144eb032788
千葉県立千葉盲学校 https://dokushohyakkei.com/n/ncc708e4bfe73
千葉県立西部図書館 https://dokushohyakkei.com/n/nfab3a533ed17
このようなメディア・サイトを通じ、今後も、読書バリアフリー関連情報の発信にも努めます。
6 バリアフリールート公開
小学館本社ビルの最寄り駅は地下鉄各線の神保町駅となります。神保町駅は、出口によっては地上に出るまでのルートがバリアフリーでないところがあります。神保町駅および竹橋駅から小学館本社ビルまで、バリアフリーなルートでアクセスいただけるよう、公式サイトの会社案内ページに、バリアフリールートの案内を掲出しました。
バリアフリールート一覧
https://www.shogakukan.co.jp/company/barrier-free
小学館にお越しの方で、車椅子やベビーカーをご利用の方、荷物のある方がいらっしゃいましたら、ぜひバリアフリールートをご利用ください。
バリアフリールートに関する情報は、神保町周辺のグループ会社や、出版関連施設にも共有し、神保町利用の各社・各施設にも、バリアフリールートの案内の作成・掲出を呼びかけています。
※本件は、「2024年度のアクセシビリティへの取り組みについて」で年度内の実現を予告していたものですが、諸事情により公開が遅くなりましたことをお詫びいたします。
7 小学館グループでの取り組み
アクセシビリティ、読書バリアフリーに取り組んでいるのは小学館だけではありません。2024年4月には、作家3団体(日本文藝家協会、日本推理作家協会、日本ペンクラブ)が読書バリアフリーに関する共同声明を発表、読書環境整備施策の推進に協力を明言、同年6月には、出版5団体(日本書籍出版協会、日本雑誌協会、デジタル出版者連盟、日本出版者協議会、版元ドットコム)が読書バリアフリーに関する共同声明を発表するなど、出版界で、読書バリアフリー、アクセシビリティへの意識が高まり、広がってきています。
小学館は、集英社と読書バリアフリー、アクセシビリティに関する情報交換・情報共有の場を設け、連携しての取り組みを2022年に開始、継続しています。グループ内の関連会社間で、Webアクセシビリティに関する情報交換の場を設け、Webアクセシビリティ関連の情報交換・技術交流を継続しています。
児童書出版社有志の集まりである「アクセシブル・ブックス児童書の会」が2025年1月に始動。小学館も事務局の1社として、読書バリアフリーの実践的な取り組みに関する情報交換、アクセシビリティの認知度アップに努めています。
小学館は、今後も、自社だけではなく、小学館グループ全体で、また、グループ外の社・組織とも協力しながら、アクセシビリティへの取り組みを推進して参ります。
【参考】
2022年度のアクセシビリティへの取り組みについて
https://www.shogakukan.co.jp/news/475446
2023年度のアクセシビリティへの取り組みについて
https://www.shogakukan.co.jp/news/476092
2024年度のアクセシビリティへの取り組みについて
https://www.shogakukan.co.jp/news/476730
小学館グループのアクセシビリティへの取り組みに関するお問い合わせはこちらまで
https://form.id.shogakukan.co.jp/forms/sol
