お知らせ

2023.12.14

2023年度のアクセシビリティへの取り組みについて

小学館では、「開かれた読書を目指して」「すべての人に本を」をキーワードに、一人でも多くの方にコンテンツを届けるため、アクセシビリティに関する取り組みを進めております。

 

昨年2022年12月14日に「2022年度のアクセシビリティへの取り組みについて」を公開しました。

 

2022年度のアクセシビリティへの取り組みについて
https://www.shogakukan.co.jp/news/475446

 

公開以降も継続してアクセシビリティに取り組んでおります。
2023年度におこなったアクセシビリティ、読書バリアフリーに関連する取り組みをご紹介いたします。

 

1 オーディオブック累計1200点突破、ジャンルも拡大
2 アクセシブル・ブックス推進室を事業室に
3 一ツ橋グループでの取り組み


1 オーディオブック累計1200点突破、ジャンルも拡大

冊子本、電子書籍に次ぐ第3の読書形態として、バリアフリーの観点からも注目を集めるオーディオブック。利用者も増えているとされていますが、コンテンツの数がまだまだ十分とは言えない状況が続いています。

小学館では2018年からオーディオブック市場に本格参入、点数増・ジャンル拡大に力を入れてきました。小学館グループ内で制作体制を強化し、1000作品制作・配信を目標として取り組んできましたが、本年、累計1000作品(※)突破を達成しました。

※2023年12月時点で累計1200点。「小学館の名作文芸朗読」シリーズを含む。

 

すべての人に本を。小学館「音声Project」本格始動 

── オーディオブック制作体制強化。2年で1000作品制作・配信へ ──
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001717.000013640.html

 

2023年2月には昭和の文芸名作をペーパーバック&デジタルで発売・配信するレーベル「P+D BOOKS」、12月には小中学生向けの児童文庫レーベル「小学館ジュニア文庫」のオーディオブックの配信をそれぞれ開始しました。

昭和の文芸名作をペーパーバック&デジタルで発売・配信する小学館のブックレーベル「P+D BOOKS」より、オーディオブックを配信開始!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002037.000013640.html

 

小学館の児童向け文庫レーベル『小学館ジュニア文庫』の オーディオブック配信が開始!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002356.000013640.html

小学館ジュニア文庫につきましては、主に弱視の児童が利用する拡大図書版の刊行も予定されています。これまで講談社の青い鳥文庫の拡大図書を手がけてきた有限会社読書工房が、児童向け拡大図書の新しいレーベルを準備中です。そのレーベルから、小学館ジュニア文庫の作品も刊行予定です。2024年度の刊行開始を目標に読書工房のほうで準備を進めています。

読書工房 https://d-kobo.jp/

 

オーディオブックを楽しむために重要な、販売ストア、アプリなどのアクセシブル対応についても、事業者様と協力しながら、改善に取り組んでいきます。

 


2 アクセシブル・ブックス推進室を事業室に

本年7月に、重度の障害当事者である市川沙央さんの「ハンチバック」(文藝春秋)が第169回芥川賞を受賞しました。作中に「読書文化のマチズモを憎んでいた」「「本好き」たちの無知な傲慢さを憎んでいた」といった表現が含まれていたこと、市川さんが受賞会見などで、読書バリアフリーが進んでいくことを訴えたくて書いたと発言されたことなどから、読書バリアフリー、アクセシビリティに大きな注目が集まりました。

市川沙央さんの「ハンチバック」の芥川賞受賞がテレビや新聞などのメディアで取り上げられたことが大きなきっかけとなり、読書バリアフリーが話題になる機会が増えました。小学館への取材も増え、以下のようなメディアで小学館の取り組みが紹介されました。

●   「新文化」2023年6月29日号「小学館・読書バリアフリーの取組み/「アクセシブルブック」推進」
●    NHK Eテレ「バリバラ」2023年7月28日放送 「愛と憎しみの読書バリアフリー」
●   「朝日新聞」2023年9月4日朝刊「誰もが読書できる社会、道半ば 過去作の電子化少なく 点字・録音、ボランティア頼み」
●   「中日新聞」2023年9月30日夕刊「ほんの裏ばなし 読書バリアフリー身近に」
●   「SmartHR Mag」2023年10月10日「「紙の本」をよりアクセシブルに。これからの企業や出版業界に求められていること」
●   『季刊 出版指標』2023年秋号「読書バリアフリーの現在」

小学館では、2019年に施行された読書バリアフリー法の主旨に則り、アクセシビリティへの対応に本格的に取り組むため、2021年にアクセシブル・ブックス推進室を社内に設置し、アクセシビリティ対応に取り組んできました。出版社の社内に読書バリアフリー対応の専任部署が設置されるのは、出版界ではおそらく初めての事例かと思います。

2023年10月に、アクセシブル・ブックス推進室をアクセシブル・ブックス事業室に改称しました。事業室として独立させたことで、より広範なジャンルを対象に、さらにアクセシビリティへの取り組みに力を入れていきます。

2024年からは、出版業界紙『新文化』において、読書バリアフリー、アクセシビリティをテーマにした連載の枠をいただけることになりました。小学館だけでなく、広く出版業界内の読書バリアフリー、アクセシビリティ関連の話題を取り上げ、発信していきたいと思います。

 


3 一ツ橋グループでの取り組み

読書バリアフリー、アクセシビリティに取り組んでいるのは小学館だけではありません。2023年4月、日本出版インフラセンターが、アクセシブルブックス・サポートセンター(ABSC)準備会を正式にABSCとして発足させるなど、出版界のあちこちで動きが起こっています。

小学館は、集英社と読書バリアフリー、アクセシビリティに関する情報交換・情報共有の場を設け、昨年から連携しての取り組みを開始しています。2023年11月には、読書バリアフリー、アクセシビリティをテーマとした2社およびグループ内関係会社の社員・関係者対象のセミナーを、共催というかたちで開催しました。

コンテンツづくりに直接関わる社員・関係者の意識、知識を高めるべく、読書バリアフリー、アクセシビリティに関連するさまざまな技術・商品・サービスなどを取り上げるセミナーは、今後も開催予定です。

グループ内の関連会社間で、Webアクセシビリティ関連の情報交換・技術交流の取り組みも始まっています。

小学館は、今後も、自社だけではなく、一ツ橋グループ全体で、アクセシビリティへの取り組みを推進して参ります。


小学館グループのアクセシビリティへの取り組みに関するお問い合わせはこちらまで
https://form.id.shogakukan.co.jp/forms/sol