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2023.1.11

バブル紳士の頂点に君臨した男の「光と影の交友録」『バブルの王様』

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キーワード: ノンフィクション 人物評伝 経済 金融 ビジネス キャリア 政治 バブル 森下安道

バブル紳士の頂点に君臨した男の「光と影の交友録」『バブルの王様』

トランプタワーを買い占めた日本人。

1980年代後半から90年代初頭のバブル期、無名から成り上がった新興企業の創業者たちが次々と現れた。

のちにバブル紳士と呼ばれる彼らのなかで、王様のごとく君臨した男が、本書の主人公・森下安道だ。

自身が率いたノンバンクの「アイチ」はピーク時1兆4000億円の貸付残高を誇り、許永中や伊藤寿永光をはじめ日本をゆるがしたバブル紳士たちが金主として頼った。

さらに、ゴルフ会員権というビジネスモデルを考案し、世界の絵画取引にも売って出て、世界的オークション会社の個人筆頭株主にまで名を上げた。

自家用ヘリで日本中のゴルフ場に出かけ、海外には家族や友人と共にスーツケース100個の大名旅行、トランプタワーの部屋をワンフロアー買い占め、フランスの古城をいくつも所有していた。

その人となりを間近に見てきたノンフィクション作家の森功氏が〝バブルの王様〟の生涯をたどる。

 

«バブル期は人間の本性が最も現れた時代であり、森下はカネという魔性に取り憑かれた一人に違いない。森下を守銭奴と嘲るのはたやすい。だが、金銭への欲求は、資本主義の根幹である事実も否定できない。

食欲や物欲、あるいは性欲や名誉欲にいたるまで、人間の欲望は果てしない。終戦間もない頃に東京に出て来てほどなく貸金業を始め、異彩を発揮した森下は、自らの欲に従い、それを追い求めようとした。欲望を満たすための手段がカネであったのだろう。その生きる姿勢が巨大なエネルギーとなった。»

(本書「おわりに」より)

 

狂乱の時代に、森下のことを知らないバブル紳士たちは存在しない。

森下は「蝶ネクタイの会社乗っ取り屋」「詐欺師を騙すクロサギ師」「地上げの帝王」「闇社会の守護神」などと呼ばれるものたちと交流を持ち、あらゆるバブル経済事件で暗躍した。

バブル崩壊後、多くの同胞たちが姿を消していくなか、奈落の底から蘇り、新たなビジネスを軌道に乗せた数少ない一人でもある。

バブル紳士たちの頂点に君臨した男の生き様と狂乱の時代を描く傑作評伝!

 

〈目次〉

  主な登場人物

序 マムシの鬼録

第一章 赤貧時代

第二章 仕立て屋から街金へ

第三章 成り上がり

第四章 「アイチ」ビジネス

第五章 巨万の富

第六章 事件と裏社会の交差点

第七章 絵画ビジネス

第八章 つわものたちの夢のあと

第九章 戦後最大の経済事件

第十章 泡沫景気の終焉

終章 生き残ったマムシの財産

  おわりに

  森下安道年表

 

『バブルの王様

森下安道 日本を操った地下金融』

著/森 功 

 

【著者プロフィール】

森功(もり・いさお)

ノンフィクション作家。

1961年福岡県生まれ。岡山大学文学部卒。新潮社勤務などを経て2003年よりフリーに。2018年、『悪だくみ/「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞』で大宅壮一ノンフィクション賞受賞。他の著書に『菅義偉の正体』『墜落「官邸一強支配」はなぜ崩れたのか』など。

 

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