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2022.12.27
第1回警察小説新人賞で審査員激賞の話題作!『恩送り 泥濘の十手』
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キーワード: 小説 警察小説 時代小説 警察小説新人賞 人情捕物帖 江戸時代
読者を圧倒する、堂に入った筆力の人情補物帳!
第1回警察小説新人賞満場一致の受賞作!
以下、選考委員の選評です。
◎ 相場英雄氏――「流れるような文体、各キャラクターの視点、そこから広がる江戸の風景描写が俊逸」
◎ 月村了衛氏――「堂に入った書きぶりで、江戸情緒、人物描写ともに立派なものです」
◎ 長岡弘樹氏――「この文章はすでにプロ級であり、読み手は安心して作品世界に身を委ねていられる」
◎ 東山彰良氏――「細部にまで目端が行き届いていて、登場人物を過不足なく使い切っているところが見事でした」
失踪した岡っ引きの父親を捜す娘の活躍を描く、時代物の人情捕物帳である本書を、「警察小説」という冠ながら選考委員が推したのは、とても新人とは思えない堂々たる筆致に一同が魅了されたからに他なりません。
【あらすじ】
火付けの真相を追ったまま、行方知れずになっている岡っ引きの父・利助を探す娘のおまき。
おまきを手助けする材木問屋の息子・亀吉、目の見えない少年・要、そして臨時廻り同心の飯倉。
手がかりは漆で塗られた謎の蓋のみ。
器の身はどこにあるのか? いったいどんな器なのか?
もつれた糸がほどけずに四人が焦るある日、大川に若い男の土左衛門が揚がったという。
袂から見つかったのは漆塗りの容れ物。
だが、妙なことに蓋と身が取り違えられていた。
身元は薬種問屋相模屋の跡取り息子・藤一郎で、のちに利助の遺した蓋と藤一郎が遺した容れ物は一対だったと判る。
利助と藤一郎とを繋ぐ容れ物は果たして誰のものなのか?
おまきと三人は新たな手がかりを元に利助を探し出せるのか?
捕物を愉しめるのはもちろん、江戸情緒もたっぷり描写!
特にヒロインの探索を手助けする、少年ふたりにかかわる人情の機微が読みどころです。
「『恩送り 泥濘の十手』では、主人公と彼女を助ける少年二人が実によく走っている。自分のために、あるいは誰かのために彼らは江戸の町をひた走る。自分で書いていながら、そんな彼らがすごく愛おしかった」(著者)
『恩送り 泥濘の十手』についての著者コラムはこちら▶▶▶
https://shosetsu-maru.com/yomimono/essay/onokuri
「おまき・亀吉・要の素人探偵トリオが、それぞれの能力を発揮しながら、じりじりと真相に迫っていく。特に要が優秀であり、小さな名探偵というほどの活躍を見せてくれるのだ。また、ちょっとした脇役だと思っていた人物が、ストーリーの進展につれて重要度を増していくなど、プロットも巧みであった。一連の事件の真相は複雑であり、ラストにたどり着いたときは、優れた時代ミステリーを堪能したという、満足感を得たのである」(文芸評論家・細谷正充)
『恩送り 泥濘の十手』について細谷正充の書評はこちら▶▶▶
https://shosetsu-maru.com/review/oshiteke/28
著/麻宮 好
【著者プロフィール】
麻宮好(あさみや・こう)
群馬県生まれ。大学卒業後、会社員を経て中学入試専門塾で国語の講師を務める。2020年、第1回日本おいしい小説大賞応募作である『月のスープのつくりかた』を改稿しデビュー。2022年、本作で第1回警察小説新人賞を受賞。
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