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2022.10.28
予測不能な時代を生き抜くためのブックガイド!『危機の読書』
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キーワード: 時事 社会 ウクライナ侵攻 新型コロナウイルス 地球温暖化 安倍元首相銃殺 格差社会 インテリジェンス 片山杜秀 佐藤優
コロナ禍、ウクライナ侵攻、温暖化、安倍元首相銃殺…この地球(ほし)はもうダメだ。
現代を代表する知の巨人・佐藤優氏は新型コロナウイルスの危機に直面して、「言論を通じて日本と世界の生き残りのために努力しなくてはならない」と考えた。
その試みのひとつが本書『危機の読書』だ。
危機から脱出することを試みた知識人の著作を佐藤氏が案内する。
【著者が本書でガイドする6冊】
■ 内村鑑三『代表的日本人』
■ ヨゼフ・ルクル・フロマートカ『なぜ私は生きているか』
■ 宮本顕治「鉄の規律によって武装せよ!」
■ アーネスト・ゲルナー『民族とナショナリズム』
■ 手嶋龍一『鳴かずのカッコウ』
■ 斎藤幸平『人新世の「資本論」』
«時代の危機を認識するためには、読書に裏付けられた学知の力が不可欠なのである。»
(本書「はじめに」より)
階級格差、民族的アイデンティティー、国家の暴力性、革命、インテリジェンス、環境…世界に広がる困難の克服に取り組んだ(取り組んでいる)良書には、危機の時代を生き抜くヒントがちりばめられている。
今そこにある危機とどう向き合うべきか、適切な判断力を養う礎となる最強のブックガイド!
巻末に政治思想史研究者・片山杜秀氏との対談を収録。
«佐藤 もともとウクライナは日本にはなじみが薄い国でした。この戦争が始まるまでウクライナとウルグアイの違いも分からなかった人も多かったはずです。にもかかわらずいまや国民の大多数が、ウクライナに肩入れし、ロシアを敵視するようになった。
片山 確かにウクライナをメディアが連日取り上げるようになり、誰かが発信した情報を相対化も検証もせず「そうなのか」と鵜呑みにしてしまう人が増えた気がします。それが正しい情報ならまだいいのですが……。
佐藤 そうなんです。
例を挙げれば切りがありませんが、マリウポリでロシア軍が化学兵器を使用したと断言した大学教授がいたでしょう。でも、実際は使っていなかったことが明らかになってきている。少し前には、6月からウクライナの反転攻勢が始まり年内にロシア軍を駆逐すると力説した専門家もいました。願望なのかもしれませんが、まったく根拠はありません。
また、ウクライナ軍は士気が高くて、ロシアは低いとさかんに語られましたが、士気が低い軍隊が、今年5月9日の対独戦勝記念日に1万1000人もの兵士を「赤の広場」に動員し、パレードできますか?
片山 ふつうに考えれば分かりそうなものですが、ウクライナ側の大本営発表を真に受けてしまう。日本人の体質は戦中と変わっていないように思えますね。»
(本書「ウクライナ侵攻を読む」佐藤優×片山杜秀より)
「知の巨人」最強タッグがウクライナ情勢を皮切りにして、「日本は大丈夫」と思っている人たちに警鐘を鳴らす。
〈目次〉
1 天をうやまい、人を愛する
2 歴史はそのままの形では繰り返さない
3 秘密は死んでも守り通せ
4 コロナ禍と国家論
5 教養としてのインテリジェンス小説
6 マルクスは甦る
特別対談 ウクライナ侵攻を読む 佐藤優×片山杜秀(慶應義塾大学法学部教授)
著/佐藤 優
【著者プロフィール】
佐藤優(さとう・まさる)
1960年東京都生まれ。作家。同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省に入省。在イギリス大使館勤務、在ロシア大使館勤務を経て、外務省国際情報局で主任分析官として活躍。主な著書に『国家の罠』(毎日出版文化賞特別賞)、『自壊する帝国』(新潮ドキュメント賞、大宅壮一ノンフィクション賞)、『十五の夏』(梅棹忠夫・山と探検文学賞)など。
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