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2022.5.16
ロシアによるウクライナ侵攻の背後には何がある?『池上彰の世界の見方 東欧・旧ソ連の国々 ロシアに服属するか、敵となるか』
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キーワード: 政治 時事 ウクライナ危機 旧ソ連 東欧 ロシア プーチン 歴史 世界の歴史 池上彰
東欧・旧ソ連諸国の歴史と現状を理解するのに最適の入門書!
2月24日のロシアによるウクライナ侵攻開始から、3か月が経とうとしている。
日々、人的・物的被害は拡大し、先の戦況も見えない。
プーチン大統領はなぜ、戦争を選んだのか。
ロシアは、ウクライナ以外の東欧諸国・旧ソ連の国々については、EUやNATOへの加盟を黙認しました。しかし、なぜウクライナに対しては軍事行動を起こしてまで阻止を図ったのでしょうか。
池上彰氏がウクライナ情勢に関するさまざまな疑問を徹底解説!
«それにしても、なんで、こんなことになってしまったのか。そこにはウクライナがロシアとヨーロッパの狭間に位置するという地理的な条件が大きく影響しています。
ロシアの前身のソ連(ソビエト社会主義共和国連邦)は、まわりの国から攻められたらどうしようという恐怖心を抱いてきました。自国の安全を守るためには、自国の外側に緩衝地帯が必要だ。こう考えて、第二次世界大戦後、東ヨーロッパに自分の言うことを聞く政権を次々に樹立しました。
そんな東ヨーロッパの国々の中には、なんとかソ連から離れて自由な国をつくりたいと考えていたところもあります。そのひとつが、ハンガリーです。ハンガリーは、「ソ連の言うことばかり聞いていないで、自由な国になろう」と考えた途端、大量のソ連軍の戦時に攻め込まれ、指導者は逮捕され、処刑されてしまいました。これが「ハンガリー動乱」です。
今回、ウクライナからは大勢の難民がハンガリーに逃げ込みました。ハンガリーの人たちは、ロシアに攻め込まれたウクライナの姿に、かつての自分たちの悲劇を見いだしていることでしょう。
ウクライナからはポーランドにも大勢の難民が押し寄せています。ポーランドは、第二次世界大戦のときに、東のソ連と西のドイツによって分割され、国が消えてしまったことがあります。そんな歴史を持っているだけに、今回大勢の難民たちを親身になって世話しています。
ロシアの脅威を感じている国は、ほかにもあります。バルト三国です。いずれも面積が小さく、人口も多くありません。巨大なロシアが攻め込んで来たら、ひとたまりもないと心配しているのです。
そんな東ヨーロッパや旧ソ連の国々の心配と苦悩を軸に歴史を振り返ってみましょう。»
(本書「はじめに」より)
「ロシアと西側諸国の間に緩衝地帯を設けたい、プーチンの個人的な思いとは?」
「クリミア併合時、プーチンがついた嘘とは?」
「クリミア併合後、クリミア住民がロシアに対して抱いた意外な感情とは?」
「ウクライナの反ロシア感情の原点は、ウクライナで起きた大飢饉にあった!?」
etc.
より新しいウクライナの情報を載せるべく、ぎりぎりまで加筆修正。
本書を読めば、ロシアによるウクライナ侵攻の背景がわかる!
«今回のロシアによるウクライナ侵攻は、もちろん許しがたいものですが、「ひどい国だ」とけなすだけでは解決の糸口を見いだすことはできません。なぜ、こんなことになったのか、その内在的論理を知っておくことが大切だと思うのです。そうすれば、それにはどう対抗すればいいかのヒントが得られるかもしれません。»
(本書「あとがき」より)
さらに、ウクライナ情勢以外にも、下記、旧ソ連崩壊の歴史や、東欧・旧ソ連諸国の現状まで、幅広く紹介する。
■ 東京都が日本を乗っ取ったような「ソ連邦解体」。
■ チェチェン弾圧で大統領になったプーチン。
■ 杉原千畝ゆかりのリトアニアが持つ悩み。
■ ベラルーシが企てたハイジャック事件から見えるもの。
■ 民主化したポーランドとハンガリーが右傾化したのはなぜか?
■ カザフスタンなど「スタン」がつく国に独裁者が多い理由。
多くの日本人にとって、あまり馴染みのない東欧・旧ソ連の国々について、今こそ学ぶべき時。
国家とは? 民主主義とは? ナショナリズム・ポピュリズムの弊害とは?
日本の立ち位置を考えるきっかけになる一冊。
〈目次〉
第1章 ソ連中央に支配された連邦の国々と東欧
第2章 ソ連が崩壊し、15の共和国が誕生した
第3章 ロシアの脅威に身構えるバルト三国
第4章 「スタン」の名がつくイスラム諸国
第5章 ロシアにすり寄ったベラルーシ、侵攻されたウクライナ
第6章 EUとの溝が深まるポーランドとハンガリー
著/池上 彰
【著者プロフィール】
池上彰(いけがみ・あきら)
1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。報道局社会部記者などを経て、94年4月から11年間にわたり、『週刊こどもニュース』のお父さん役を務め、わかりやすい解説で人気を集める。2005年NHKを退職し、フリージャーナリストに。現在、名城大学教授、東京工業大学特命教授。愛知学院大学、立教大学、信州大学、関西学院大学、日本大学、順天堂大学、東京大学などでも講義する。
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