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2022.8.25
韓国現代史最大のタブー「ベトナム戦時民間人虐殺事件」の真実に迫る!『韓国軍はベトナムで何をしたか』
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キーワード: 戦争 ベトナム戦争 韓国 虐殺 歴史 近現代史 社会問題
「忘れようにも忘れられない」惨劇の記憶・・・
「ベトナム戦争中、民間人を殺害する事件を起こしたのは、米軍だけじゃないんです。韓国軍もまた、中部のあちこちで多くの民間人の命を奪いました」
ベトナム戦争当時、南ベトナム(当時)の各地で80件余り発生し、犠牲者は9000人以上ともいわれる「韓国軍によるベトナム戦時民間人虐殺事件」。
韓国では今、この問題を解明しようとする動きが出ています。
かつて、この事件について報じた韓国メディアは韓国軍の退役軍人らに襲撃されるなど、長くタブーとされてきました。
経済的に強く結びついた韓国・ベトナム両政府は、この事件に蓋をして、真実を闇に葬り去ろうとしてきたのです。
筆者は、ベトナムにおいてこの事件の被害者や遺族の証言を得たことをきっかけに、ベトナム、韓国への取材を積み重ね、真実に迫ります。
«この記録は、数年前に日本の書店の一角を賑わせた、いわゆる嫌韓本のような目的でまとめるものではない。日々上書きされる「歴史」のなかで、半世紀ほど前にベトナム戦時下で起きた民間人殺害事件の、薄れゆく記憶を記録したものだ。約十三年かけて集めてきた貴重な証言の数々を埋もれさせてはいけない。それが、本稿をまとめる動機となった。
ベトナムで起きた民間人殺害事件では、少なくとも九〇〇〇人の罪もない人びとが殺されたとされるが、半世紀以上経った今でも事件の詳細は分かっていない。
同じ過ちが繰り返されないためにも、悲惨な事実をありのままに知って欲しいと筆を執っていた矢先の二〇二二年四月上旬。ウクライナに軍事侵攻をしたロシア軍が、首都キーウ近郊のブチャなどで民間人を大量に殺害したというニュースが流れ、コンビニエンスストアの新聞ラックには「虐殺」という文字が並んだ。
――また繰り返されてしまった。私は呆然とし、絶望感に苛まれた。
世界がグローバル化した昨今、戦争によって人びとの生命が脅かされ、奪われる実情は、決して遠い国の出来事ではない。一刻も早く戦争が終結し、安寧な世界に戻ることを願わずにはいられない。
私が手探りで集めてきた証言を今こそ、伝えたい。本稿に登場するベトナム事件当事者らの悲痛な思いを共有し、「声なき声」に耳を傾けてもらいたいと願う。»
(本書「はじめに」より)
戦争の悲劇、そして、政府や軍に翻弄される無辜の人々の姿。
日本の現代史を考える上でも貴重な作品です。
報道写真家・石川文洋氏推薦!
「著者の村山(康文)さんがベトナムで韓国軍の戦争を調べている様子は臨場感があって面白い。大変勉強になった。ベトナム戦争は第二次世界大戦後に起こった最大の戦争である。韓国軍のこと以外にもベトナム戦争について私たちが知らないことはまだ沢山あるだろう。村山さんやほかの人の研究を待ちたい。ベトナム戦争を知ることは日本の戦争の抑止力にもなる」
〈目次〉
はじめに
第一章 よみがえるベトナム戦争
憎めない男/デーブとベトナム反戦運動/時が止まったソンミ村/老婆の脳裏に焼き付いた戦禍の惨劇
第二章 証言者を探して
取材チーム「ビンディン」結成/「ライダイハンを知ってるか?」/交差点のカフェ
第三章 ベトナム人被害者は語る
大虐殺の村「ビンアン」/忘れようにも忘れられない/長閑な村を絶望が襲う/閉ざされた「慰霊の言葉」/地元新聞社がまとめた惨劇の記録/憎悪碑か、慰霊碑か/生涯癒えない「恨み」の傷/タンさんの想い/母の乳房を離さなかった/ギアさんと「ベトナムピエタ像」
第四章 韓国軍元兵士に訊く
「韓国の父に会いたい」/晩秋のソウル/若き韓国兵の恋/「ベトナム参戦四七周年記念」式典/「ベトナム戦争は誰もが被害者だった」/「猛虎部隊」元兵士の反論
第五章 「記憶」との向き合い方
三人の訪韓/徴兵か、傭兵か/「ベトナムピエタ像」のその後/ベトナム戦争は終わっていない
おわりに
関連年表/注/主な参考文献・資料
著/村山康文
【著者プロフィール】
村山 康文(むらやま・やすふみ)
フォトジャーナリスト
1968年、兵庫県生まれ。立命館大学夜間主文学部哲学科中退。1998年、報道写真家・石川文洋氏に出会い、「ベトナムで石川文洋写真展を見るツアー」に参加。その後、渡航を重ね、ベトナムの社会問題を主に取材。2007年と2009年に、ベトナムでの幅広い活動が評価され、ホーチミン市文化スポーツ観光局から表彰を受けた。著書に『いのちの絆――エイズ・ベトナム・少女チャン』(アットワークス)がある。
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