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2022.3.18

「東洋の化粧品王」と「神戸一の名芸妓」の出会いが日本を変える。『コスメの王様』

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「東洋の化粧品王」と「神戸一の名芸妓」の出会いが日本を変える。『コスメの王様』

大阪で100年を超える化粧品会社を創業した男の壮大なロマンとラブロマンス。

明治・大正・昭和・・・日本が急速に発展を遂げる時代に、現在のコスメの源流となる化粧品を生み出した男がいた――。

産経新聞連載時から高い評価を得た、愛と希望と真心の物語がついに単行本化!

TVドラマ化された『トッカン-特別国税徴収官』『上流階級 富久丸百貨店外商部』などで知られる著者が、「東洋の化粧品王」と呼ばれた男の一代記と彼を取り巻く女性たちの変革を描く。

 

反響の声、続々!!

「日本を美容大国へと育てたのは、この男の無垢な愛からでした」――美的GRAND編集長・天野佳代子さん

 

何度も熱い涙が流れました。希望を感じる最高の読書体験――紀伊国屋書店福岡本店・宗岡敦子さん

 

化粧品に賭けた男の一代記であるとともに一人の女性が強く美しく生きた物語」――ブックスタジオ大阪店・渋谷宙希さん

 

何度でも利一やハナに会うために読みたくなる物語」――ジュンク堂書店名古屋栄店・西田有里さん

 

感動で夜明けを迎えた最高の一冊」――うさぎや矢板店・山田恵理子さん

 

ビジネス書としても、恋愛小説自己啓発本として楽しめる一冊です」――紀伊国屋書店天王寺ミオ店・木曽由美子さん

 

「今の日本社会に必要なものがつまった目のさめるような熱くて優しい小説――ジュンク堂書店草津店・山中真理さん

 

【STORY】

明治33年の神戸・花隈。

15歳の少年・利一はドブにはまって意識を失っていたところを、12歳の少女・ハナに助けられる。

山口の滝部に10人の弟妹がいる利一は、商売がうまくいかなくなった実家を支えるために、進学をあきらめ、奉公に出てきた。

いっぽう、貧しい農家に生まれたハナは、牛を買った借金のかわりに、牛より安い値段で花隈の屋形、箕島桜に売られてきた。

ある日、花隈の坂にある大きな銀杏の木の下で再会したふたりは、互いの身の上話を打ち明けた。

そして、ある約束を交わす。

 

«「ハナちゃんを身請けしたら、神戸中の牛鍋の店で毎日すきやきを食うてやろう」

「それがええ、すきやきや。そうしよう。そうしよう」

「きっとやで」

「きっとや」

二人して、お互いが不憫でおいおい泣いた。泣いている間にも、金色の葉も重たげな大銀杏は、ただしずしずと二人の頭の肩に降り積もった。利一の頭の銀杏をハナがはらってやる。すると利一がハナの肩の銀杏をはらってやる。そんなことを繰り返しているうちに、なんだかふたりともフフッとわらけてきて、最後には声をだして笑い合った。

「あんなあ。うち、ちょっと利一さんに似てるおもててん」

「似てるて、顔がか」

「そうや。兄妹みたいやて、銀駒ねんさんが」

それから、二人して大銀杏のすぐそばのドブをそうっとのぞき込んだ。水たまりに映った二つの顔は、親から引き離された子の頼りなげな表情までよく似ていた。»

(本文より)

 

持ち前の器量と気立てのよさに、稽古熱心な姿勢も相まって、ハナはあっという間に人気芸妓となり、資産家から社長、議員と上がるお座敷はどれも一流どころだった。

利一のほうは、ハナのすすめで里に帰ってから2年後、薬種問屋の神戸支店長として舞い戻り、迅速果敢な行動力と誠実な対応で商売を大きくしていく。

けれども、自分が心から売りたいものが何かわからず、先の展望が見えなかった・・・。

悶々とする中、足がかりとなったのは、花町を彩る美しさのひとつ、白粉(おしろい)。

白粉に含まれる鉛が体に毒だと知った利一は、安全で品質のいい国産化粧品を作り、世に広めるために動き出す。

 

日本人の生活を一変させる化粧品を開発し、革新的な広告戦略を生み出した寵児の「壮大なロマン」と、立場は違えど、人生の分岐点で支え合いながら、互いの信じる道を歩んでいく「ふたりのラブロマンス」に幾度も心を揺さぶられる。

利一とハナの生き方が、時代を超えて〝人生の道しるべ〟となる一冊。

 

「山口の農家に生まれた少年が、身一つで家族を養うために知らない土地へやってきて、苦労して勉学し、やがては日本の化粧品産業のトップに駆け上がる。まるで小説のようなその男の人生を、華やかな当時の神戸とともに描き切れたらきっとよいものができると確信した」(本書『コスメの王様』ついて著者のコラムより。全文はこちら▶▶▶ https://shosetsu-maru.com/yomimono/essay/kingofcosme

 

『コスメの王様』

著/高殿 円                                                                              

 

【著者プロフィール】

高殿 円(たかどの・まどか)

神戸市生まれ。2000年『マグダミリア 三つの星』で第4回角川学園小説大賞奨励賞を受賞し、デビュー。13年『カミングアウト』で第1回エキナカ書店大賞受賞。「トッカン」シリーズ、「上流階級 富久丸百貨店外商部」シリーズがテレビドラマ化され、ベストセラーに。19年産経新聞で連載された『グランドシャトー』は、大阪を舞台に、たくましく生きた女性の物語として大きな話題となる。

https://twitter.com/takadonomadoka

 

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