お知らせ

2021.1.11

読書メーター〝読みたい本ランキング〟1位! 希望ある新しい時代へ。『十の輪をくぐる』

この記事は掲載から10か月が経過しています。記事中の発売日、イベント日程等には十分ご注意ください。

キーワード: 小説 人間ドラマ 大河 オリンピック 家族

読書メーター〝読みたい本ランキング〟1位! 希望ある新しい時代へ。『十の輪をくぐる』

二つの五輪を貫く、著者入魂の人間ドラマ!

「初めて書いた、ミステリーではない作品。今回は思いっきり人間ドラマに振り切って書いてみようと思った」(著者)

いま最も注目を集める若手作家・辻堂ゆめの新境地となる圧巻の大河小説!!

1964年と2020年、2つの「東京五輪」の時代を生きる家族の姿をリアルに描く。

 

スミダスポーツで働く泰介は、認知症を患う80歳を目前に控えた母・万津子を自宅で介護しながら、妻と、バレーボール部でエースとして活躍する高校2年生の娘とともに暮らしている。

 

«心がいつまでも身体の中にとどまっていられるなら、それが一番だ。だけど、ずっと封じ込めておけるとは限らない。何かの拍子に檻の扉が開いてしまい、心が身体の外へと逃げ出すことがある。  

伝書鳩のようにいつのまにか帰っているときは、安心する。ただ、次に抜け出してしまったときが永遠の別れになるのではないかと、いつも怯えながら過ごすことになる。  

心は気まぐれだ。いたずらに、人間の身体を出たり入ったりする。いないように見えるときも、消え去ってしまったわけではなく、どこかでゆらゆらとさまよいながら、戻るタイミングを窺っている。  

そう考えないと、説明がつかない――と、小さくなった母の背中を眺めながら、泰介はたびたび自分に言い聞かせていた。»

(本文より)

 

あるとき、万津子がテレビのオリンピック特集を見て「私は・・・・・・東洋の魔女」「泰介には、秘密」と呟いた。

泰介は、九州から東京へ出てきた母の過去を何も知らないことに気づく。

泰介は万津子の部屋で見つけた新聞記事を頼りに、母の「秘密」を探り始める。

それは同時に、泰介が日頃感じている「生きづらさ」にもつながっていて――。

 

«泰介は、水の中で必死に泳いでいた。何かをつかもうと手を伸ばすのだが、どんどん身体は沈んでいく。自分の身体はとても小さく、水は広大な海のようだった。流れが泰介を押し、転がし、回し、引きずり込もうとする。泰介は懸命に抗い、水面へと浮き上がるため手を伸ばし続ける。そして、急に光が差し、汗だくの状態で目が覚める。

昔からよく見る夢だった。どうしてそんな夢を見るのかは分からない。»

(本文より)

 

51年前――。

紡績工場で女工として働いていた万津子は、19歳で三井鉱山の職員と結婚。

夫の暴力と子育ての難しさに悩んでいたが、幼い息子が起こしたある事件をきっかけに、家や近隣での居場所を失う。

そんな彼女が、故郷を捨て、上京したのはなぜだったのか。

 

母が隠していた家族の過去とは?

泰介の息苦しさの理由とは?

切なさの後、ぬくもりに包まれる感動大作。

読書メーター〝読みたい本ランキング〟1位(単行本部門 2020年10月10日~16日)!

 

作家からプロバレーボール選手、書店員さんまで、絶賛の声、続々!!

 

20代の著者が書いたとは思えない。最後はうるっと、目頭が熱くなった。

――荻原 浩さん(作家)

 

私も、母として、バレーボール選手として、挑戦できる幸せや感謝の想いを、体現し続けていきたいと思った。

――荒木絵里香さん(プロバレーボール選手)

 

横山秀夫さんばりに骨太でガツンとくる傑作! あーー絶対に多くの人に知ってもらいたい!! こんなにはっきりと、ずっしりと、愛を感じる小説って最近読んだだろうか。

――TSUTAYA中万々店 山中由貴さん

 

戦後の貧しさをわずかに知る戦後二桁生まれの私は涙ぐむ。私はいま感動している。間違いなく話題作になる。

――明林堂書店別府本店 富田昭三さん

 

その他様々なメディアで取り上げられています。

・ TBS系「王様のブランチ」12/5放送 特集

・「小説すばる」1月号 吉田大助さん書評

・「CREA」1月号 インタビュー

・ 讀賣新聞 12/22朝刊 村田雅幸記者書評

・ 朝日新聞 12/23夕刊 藤田香織さん書評

・「湘南える」29号(12/26発行)インタビュー

・「eclat」2月号 斎藤美奈子さん書評

・「湘南よみうり」1月号 インタビュー

 

『十の輪をくぐる』

著/辻堂ゆめ

 

【著者プロフィール】

辻堂ゆめ(つじどう・ゆめ)

1992年神奈川県生まれ。東京大学卒。第13回「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞を受賞し『いなくなった私へ』でデビュー。他の著作に『コーイチは、高く飛んだ』『僕と彼女の左手』『卒業タイムリミット』など。『あの日の交換日記』は「王様のブランチ」で特集が組まれ、大きな話題に。

 

★ こちらもオススメ!

夏川草介が民俗学「人の在り方」について問う。『始まりの木』

 

文学界を騒然とさせた中学生作家、現在高校2年生。人間賛歌を鮮やかに紡ぐ!『私を月に連れてって』

 

この国から中間層がいなくなる日は近い・・・現代日本の〝闇〟を浮き彫りにする社会派ミステリー!『アンダークラス』

 

東京五輪中止! そのときアスリートたちは?『幻のオリンピック』

 

娘、二十歳の夏。家族の秘密を伝える日がやってきた。『こんぱるいろ、彼方』

関連リンク