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2020.7.3
雨の日を3倍に楽しむロングセラー『雨の名前』
この記事は掲載から10か月が経過しています。記事中の発売日、イベント日程等には十分ご注意ください。
キーワード: 雨 辞典 詩 歳時記 エッセイ 写真集
「雨の言葉」422語。
日本人はなぜこれほどまでに「雨」に惹かれるのか?
«雨が好きな人は、雨を見ている人だ。窓から見ていられる雨なら、私も好き。きれいさっぱり雨に洗い流して、また新しく何かを始められるだろう、そう思いながら何もしないで、雨と、雨の向こうの景色を見ている、そういう時間がつくづくほしい。もちろん健康であって。»
(本書「雨を見る」人より)
日本列島は梅雨の真っ只中。
今まで溜めこんでいたものを解放しようと思った矢先の雨模様に、心が沈んでいる人もいるでしょう。
けれども、蓼食う虫も好き好き。
さらに言えば、日本人は世界中でもっとも「雨」のことが好きな民族なのではないかという説があります。
日本では古来から短歌をはじめ、俳句、小説、民謡、はては歌謡曲まで、雨をテーマにしたものは枚挙にいとまがありません。
たとえば、「梅雨」ひとつとっても、青梅雨、暴れ梅雨、空梅雨、送り梅雨、走り梅雨、男梅雨、女梅雨など・・・多くの日本語が生み出されてきました。
詩人・高橋順子による歳時記『雨の名前』が空前のロングセラーになっているのも、日本人の「雨好き」によるものからかもしれません。
本書は、古来からの「雨の名前」をキーワードに、現代日本人の暮らしの根っこに迫る「雨の言葉」集です。
雨の名前422語、雨の写真148点、雨の詩とエッセー35篇を収録。
繊細さが漂うものからダイナミズムを感じるものまで、幅広い表情を見せる雨の表現に心揺さぶられます。
«この国には雨が多い。私たちは雨を生活の糧としてきた農耕民族の末裔だが、それゆえに季節の雨、朝晩の雨、強弱、大小、ある時は戯れ、ある時はしっとりと降りかかる雨に一喜一憂、それぞれをふさわしい名で呼んできたようだ。心ひかれる雨の名前をいくつももつこの国の言葉が私は好き。»
(本書「雨のあと」より)
雨がもたらす心の変容が人生を豊かにする「辞典+歳時記+エッセイ+写真集」のアンサンブル。
エモーショナルな雨の言葉を、物語性あふれる美しい写真とともにお楽しみください。
小学館のまほろば歳時記第1集
【著者プロフィール】
高橋順子(たかはし・じゅんこ)
詩人。「歴程」同人。1944年、千葉県に生まれる。東京大学文学部仏文学科卒。佐藤秀明との共著『雨の名前』『風の名前』『花の名前』は発売以来重版を重ねるロングセラーにしてベストセラー。
佐藤秀明(さとう・ひであき)
写真家。1943年、新潟県に生まれる。日本大学芸術学部写真学科卒。北極、チベット、アフリカ、南洋諸島など、世界各地の人間とその生活・自然をテーマに多くの作品を発表している。
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