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2017.2.6
北風と太陽、どっちが残酷? 兎と亀、どっちが金メダル? 谷川俊太郎詩集『いそっぷ詩』
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キーワード: 誌 絵 子ども 家族
谷川俊太郎がイソップ童話を改変!
谷川俊太郎書き下ろし!!
イソップ童話を題材にした、
子どもから大人まで楽しめる
「絵本詩集」が登場!
‹‹岩波文庫版・中務哲郎訳
「イソップ寓話集」をもとに、
少しひねって、小さい子どもたちにも
楽しんでもらえるように、原文を行分けにして
誌のような形で書いてみました››
誰もが知っている物語が、
谷川俊太郎の手でみごとに生まれ変わりました。
本文に登場する「うさぎと かめ」の
原文はつぎのようなものです。
‹‹亀と兎が足の速さのことで言い争い、
勝負の日時を決めて別れた。
さて、兎は生まれつき足が速いので、
真剣に走らず、道から逸れて眠りこんだが、
亀は自分の遅いのを知っているので、
弛(たゆ)まず走り続け、
兎が横になっている所も通り過ぎて、
勝利のゴールに到達した。
素質も磨かなければ努力に負けることが多い、
ということをこの話は解き明かしている››
この教訓つきのお話が、
谷川版では以下のように軽やかに展開します。
‹‹ようい どん!
うさぎはぴょんぴょん はねていく
みみをかぜに なびかせて
あとあししっかり じめんをけって
かめはのそのそ あるいていく
おひさまぽかぽか あたたかい
いいてんきだな たのしいな
うさぎはぴょんぴょん はねていく
じぶんのはやさが うれしくて
ゴールめざして いっちょくせんだ
かめはのそのそ あるいていく
かぜもそよそよ ふいてくる
いいきもちだな ねむたいな
うさぎはぴょんぴょん はねていく
ゴールはとっくに すぎたのに
まだとまらずに はねていく
かめはぐうぐう ひるねをしてる
ちょうちょがかめの せなかにとまる
うさぎはどこまで いったのか
いいてんきだな たのしいな››
全部で30篇+「イソップさん」という序詩と
広瀬弦による挿画30点を収録。
皮肉たっぷり、ユーモラスでちょっと残酷。
リズミカルな日本語は
思わず歌いだしたくなるほどです。
文/谷川俊太郎 絵/広瀬弦
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