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2020.1.25
日本一スルーされる県の悲哀・・・『忍びの滋賀 いつも京都の日陰で』
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おどおどした直木賞作家が、地味でマイナーな出身県について、ユーモラスに語る!
‹‹超難問を出題する。
『厚生労働省2015年の都道府県別長寿ランキングで、男の第1位・女の第4位になったのは□□県である。□□の中に県名を入れよ』
できましたか?
超難問のはずである。なぜなら□□県は、あるTV番組での街頭アンケート(都道府県名を思い出せるだけ言ってもらうアンケート)で、〈最も人から忘れられる県・第1位〉に輝いた県でもあるからだ。
□□の中には「シガ」と入る。
「なーんだ、長野県か。前から長寿で有名だもんね」
と思った人が100人以上いるはずだ。これまでの数多の経験から断言する。
「え、ちがうの? だってスキーするシガ高原のあるとこでしょ」
と思う人が、いっぱいいるのだ。これまでの数多の経験から断言する。
長野県にあるのは志賀高原だ。□□県にはない。
□□の中に入る文字は「滋賀」だ。››
長寿も1位、忘れられるのも1位。
実は琵琶湖が何県にあるのか知らない人は多い。
「千葉」や「佐賀」とよく間違えられる。
比叡山延暦寺は京都にあると思われている。
などなど、日本一スルーされる地味な出身地について、直木賞作家・姫野カオルコが自虐的に愛を込めて語るエッセイ。
本書の最終章で、著者は希望をこめてこう綴る。
‹‹ダサい。
臭い。
歩けない。
離されている。
滋賀県はこのユーツを抱えている。このユーツは、他のほとんどの県も同じように抱えている。
ユーツは漢字で書くと憂鬱だ。問題とか課題とか懸案事項などよりユーツと表記するのである。「なんとかならんもんかのう」というユーツ。憂鬱という画数の多い熟語にすると、かえって実質からズレてしまうように思うのだ。
ダサくて、臭くて、歩けなくて、離されている。
この四つのユーツを解決するか払拭するか、なんらかの手だてを構ずれば、滋賀県は(このユーツを抱えた他県も)将来的に、わが国における居心地のよい土地のモデルになるのではないか。››
滋賀県民の方も、そうでない方も、ライトからディープまで笑えるネタ満載の〝都道府県あるある〟をぜひお楽しみください!
〈目次〉
第1章 自虐の滋賀――哀愁のあるある
第2章 ボーノ滋賀――無名だけどおいしい郷土料理
第3章 忍びの滋賀――ミウラとヒメノ
第4章 これからの滋賀に――さきがける地方都市として
著/姫野カオルコ
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