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2018.11.3
中田永一ならではのミリ単位でひかれた設計図!切なすぎる青春ミステリー『ダンデライオン』
この記事は掲載から10か月が経過しています。記事中の発売日、イベント日程等には十分ご注意ください。
子ども時代と大人時代の一日が入れ替わった・・・
2019年10月21日、11歳だったはずの下野蓮司は病院で目覚めると大人の姿になっていた。
‹‹看護婦が後ろに来て、鏡ごしに僕と目が合う。
「昨晩、あなたはベンチに座っていたところを襲われたそうです。こんなことになって、混乱されているでしょうね」
「ち、ちがう・・・・・・」
「え?」
それ、僕じゃないです。しりません。僕は、野球をしてたんです、練習試合を・・・・・・」
看護婦に説明した。自分はまだ小学生であること。少年野球チームの練習試合で打球を受けたこと。目が覚めたら急に背丈がのびて大人になっていること。看護婦は終始、怪訝な顔をしていた。››
そこに蓮司と結婚する予定だというと西園小春が姿を現す。
子ども時代と大人時代の一日が交換されたのだ、と彼女は話した。
1999年4月25日、20年後の下野蓮司は目が覚めると、野球のマウンドに横たわっていた。
‹‹監督やチームメイトが心配そうにあつまっていたのだが、なつかしい顔ばかりで、頭の痛みをわすれておもわず笑ってしまった。そのせいで、監督からよけいに心配されてしまう。
「大丈夫か、蓮司・・・・・・?」
体が十一歳になっていることに戸惑いはなかった。そうなることをあらかじめしっていたからだ。マウンドを降りた蓮司のかわりに、同級生が引き継いで投げてくれることになった。
彼はこの後、何点かとられてしまうが、満塁のピンチを切り抜けて、チームを勝利に導くこともわかっている。この日の試合の経過について後に聞かされたからだ。››
ある目的を達成するために、彼は急いでいた。
残された時間は半日に満たないものだった――――。
少年時代の蓮司と、大人になった蓮司。
互いに頭をぶつけた一日が入れ替わった。
なぜ、なんのために?
累計34万部「くちびるに歌を」以来7年ぶりとなる中田永一の長編小説!
1999年と2019年を行き来しながら、目まぐるしく動くストーリー。
著者だからこそできた、ミリ単位の設計図にしびれること必至です!
過去と未来に張り巡らされた緻密な伏線、すべてがつながっています。
完全犯罪のような〝切なすぎる〟青春ミステリー誕生!!
著/中田永一
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