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2018.8.3
〝奇跡の薬〟を生んだ日本人研究者の人物評伝!『世界で一番売れている薬 遠藤章とスタチン創薬』
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製薬・医学界の熾烈な開発競争を凌ぎ、〝奇跡の薬〟を生み出した情熱と決意の物語
ガードナー国際賞、ラスカー臨床医学研究賞、アルパート賞、ウィーランド賞・・・・・・海外の著名な医学賞を次々に受賞し、日本人初の全米発明家殿堂入りも果たした農学博士・遠藤章。
その遠藤博士が世界で初めて発見したのが、コレステロール値を下げて心疾患や脳梗塞の発症を抑える高脂血症治療薬「スタチン」だ。
この〝世紀の薬〟は、いかに生まれ、どのような運命をたどったのか――。
‹‹遠藤博士のスタチン発見から、すでに40余年が経つ。この間、各社が開発したスタチン製剤はいずれも大ヒット商品となり、世界中で多くの人が恩恵に与っている。しかし、その後、スタチンのように患者数の多い慢性疾患に対する画期的新薬は出ていない。それは合理性とスピード感が優先され、企業も個人もコストパフォーマンスを重視する時代の風潮と無関係ではない気がする。
正規の薬となったスタチンの元祖「ML-236B」がどのようにして生まれ、どんな運命をたどったのか、そしてこの薬はなぜ、日本で最初に製品化されなかったのか。
本書は「動脈硬化のペニシリン」とも呼ばれるスタチン誕生のドラマを追いながら、自然界からの薬の探索を続けた科学者のこだわり、長い年月と幾多の困難がつきまとう新薬開発の現場、当時の製薬メーカーと医学界が直面したさまざまな問題を描く。››
〝ノーベル賞に最も近い日本人〟の1人とされる遠藤博士による新薬誕生のドラマ!
本書には、多くの日本人の心に響く遠藤博士の言葉が並んでいます。
「自分の将来を決めるのは自分だけしかいない」
「挑戦するなら、大きなこと。社会的関心も大きいものから選びなさい。夢はタダだから、大きいほうがいい」
「今の時代、お金が大事といいますが、人が本当に生きる喜びや価値を見出せるのは、使命感を持って世の中のためになることをやった時。私は、日本の会社や日本のためというより、世界中で必要とされているからやろうと考えて挑戦してきました」
「人のいやがることに、大きな発見があることが多い」
大きな夢をもつこと! 恐れずチャレンジすること! 困難の先に快感があること!
金儲けより人生観や価値観の大切さを教えてくれる、傑作ノンフィクションです。
序章
第一章 原点はハエトリシメジ
祖父の教え/どこまでもやらないと気がすまない/ハエトリシメジの実験/苦労の末、大学へ/フレミングを知る/誰よりも先に
第二章 コレステロールとの出会い
カビの酵素の研究/人のやらないことを/草履ステーキ/運命的なテーマの発見
第三章 新薬の種
醗酵研究所の開設/コレステロール研究の歴史/新薬の探索を開始/6000株のスクリーニング/あきらめない/ラットに効かなくても/イギリスでも同一物質が
第四章 障壁
家族性コレステロール血症のメカニズム/国内外の医学者との交流/もう1人の臨床医/肝毒性の問題浮上/治験の依頼
第五章 世界初の治験
決断/極秘ミッション/効果と副作用/医師の技量/開発プロジェクト結成
第六章 メルクとの攻防
メルクとコレステロール/危険な契約/メルクを訪問/策略/転身/モナコリンKの発見/アメリカで講演/特許
第七章 世紀の薬へ
劇的な効果/突然の開発中止と毒性検査への疑問/患者に学ぶ/広がる波紋/一大ニュース/メルクの開発再開/メバロチンの誕生/さまざまなスタチン/空白の5年/ファースト・イン・クラス/ルーツは日本
第八章 スタチンのその後
ノーベル賞の陰の力/スタチンの安全性と多面的効果/次なる新薬/遠藤のその後の研究/自然の偉大な恵み/日本での評価/次世代へのメッセージ
終章
あとがき
著/山内喜美子
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