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2017.12.18
燃え殻さん絶賛! よき師とよき元カノとの思い出をつづった青春ポップ小説。『猫の話をそのうちに』
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キーワード: 音楽 恋 友情 猫
「お前はひどい奴だよ。でも、歌うしかないんだよ」
英語の歌詞を歌うギターデュオ「ネクストマンデイ」のひとり野崎周一郎。
かつては、若い女性を中心にそこそこの人気を得たが、その後ふるわず、所属事務所から、「日本語のポップソングを出せ、しかも作詞は外部のプロに頼む、今後のことはその結果を見てから考える」と最後通告される。
起死回生の新曲「君がお父さんになったら」は、初めて100位以内のチャートに入り、アルバム制作が決定!
しかし、アルバムの売り上げは500枚にも満たず、結果解散した。
野崎はネクストマンデイ名義を残しソロ活動をしているが、おぼつかない日々を送っていた。
消え入りそうな彼を支えるのは不愛想な飼い猫のディオンヌと、学生時代の元カノ・麻由子。
そんなある日、偶然居合わせた居酒屋で、大物ミュージシャン・黒沢と飲むことになる。
‹‹「野崎くん、オナニーは週に何回?」
「週三です」
まさかそれが、それからずっと自分のあだ名になるとは野崎は思いもしなかった。
有名なミュージシャンである黒沢光が目の前にいるだけでも、そうとう舞いあがっていたのに、最初の会話がそれだったので、野崎は何も悩まずに本当のことをすかさず答えてしまい、皆に大笑いされ、そのフレーズを連呼されるようになった。
後から知り合った人たちは誰もが、黒沢が野崎を「シューサン」と呼ぶのは「周一郎」という野崎の名前を、あえてさん付けで呼んでいるのかと思っているが、実はイントネーションは「周さん」ではなく「週三」だ。
黒沢は浅田と同期の三八歳で、再来年デビュー二〇周年を迎える、誰もが知るソロミュージシャンだ。大きく刈り上げたソフトモヒカンのような短髪に、表に出るときには必ず濃い黒のサングラスをかけている。独特のしわがれ声で歌うのは無骨なロックで、デビュー以来、確固たるファンをきちんとつかんでいる。そしてたまにトーク番組などの出演すると、独特の口調と機転の早さとたとえ話の巧さで、下手な司会者よりもいつもその場を沸かせる。››
その場で、黒沢にのせられた後、説教をされ、号泣した野崎だったが、翌日、何事もなかったかのように飲みの誘いを受ける。
以降、野崎は、気が付けば週三ペースで黒沢と飲むように。
黒沢に踊らされ、説教され、泣かされる。
そんなことを繰り返しながらも、野崎は自分のことをすべて見透かしたかのような黒沢の言葉に感化され、人としてもミュージシャンとしても変わっていく・・・。
ところが、黒沢から元カノとの中途半端な交際を指摘されたことをきっかけに、連絡が途絶えてしまう。
それから、長い時間が流れた――。
永遠だと思った日常は、今の僕には眩しくてもう見えない。
どこか自分の作品と似た匂いを感じました。
――「ボクたちはみんな大人になれなかった」著者・燃え殻さん
あるミュージシャンの成長譚であり、元カノとの恋物語であり、師弟物語の間に芽生えた友情物語でもあります。
クスッと笑えてジーンと余韻が広がるポップな青春小説!
著/松久淳
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