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2017.11.8

「救われないなら救いなさい」温もりに満ちた満点の医療小説『満天のゴール』

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キーワード: 小説 医療 シングルマザー ファミリー 地方 過疎

「救われないなら救いなさい」温もりに満ちた満点の医療小説『満天のゴール』

読後、あなたはきっと、このタイトルに胸を熱くする。

奈緒(33歳)は、10歳になる涼介を連れて、二度と戻ることはないと思っていた故郷に逃げるように帰ってきた。

長年連れ添ってきた夫・寛之の裏切りに遭い、行くあてもなく戻った故郷・京都の丹後地方は、過疎化が進みゴーストタウンとなっていた。

奈緒は18歳までこの町で暮らし、地元の高校を卒業してから3年間、京都府内にある看護学校で寮生活をしていたが、看護師として働くことはなかった。

寛之とは京都市内のカフェでアルバイトをしているときに出会い、22歳の結婚を機に東京で暮らすようになった。

結婚式以来、顔も見ていなかった父親とは母親を亡くして以来の確執があり、世話になる一方で素直になれない。

そんな折、父が交通事故に遭い、地元の海生病院に入院。

そこで奈緒は医療過疎地域で日々地域医療に奮闘する三上と出会う。

夫に棄てられシングルマザーとなった奈緒は、昔免許をとったものの一度も就職したことのなかった看護師として海生病院で働き始め、三上の同僚となる。

涼介とふたりで生きていくために、奈緒は働き口を探してみたものの正社員という形で採用してくれるところなど皆無だったが、看護師の仕事はとんとん拍子に決まった。

奈緒は入職当日から、三上とともに山奥に往診へと向かう。

奈緒がこんな山奥で働くメリットないですよね、とつぶやくと・・・。

 

「ここからは星がよく見えるんですよ。街灯りがないぶん、星が明るい」

「そんなの別にたいしたことじゃないし」

「暗い場所だから見えるものがある。そのことを毎日気づかせてもらえる。ぼくはそれで満足なんです。さあ家まで送りますよ、どこでしたか」

 

一方、同じ集落の隣人である同じ早川(72)という老婆は、人生をあきらめ、半ば死んだように生きていた。

3度も彼女が倒れているのを発見している奈緒と涼介は、なんとか元気づけたいと願う。

その気持ちから、ふたりは早川の重大な秘密を知ることとなる。

隠されていた真実とは。そして、その結末は・・・・・・・。

 

33歳、夫に新しい女ができて故郷に戻り、看護師として働き始める女性。

その母親をいちばん近くで支える10歳の涼介。

父親の入院をきっかけに出会った、孤独と寂しさを抱える35歳の医師。

そして、人生をあきらめ、死を待っている72歳の女性。

この4人が出会い、物語を動かしていきます。

著者の藤岡陽子さんは、長年看護師として働き、人の生と死を常に見つめ続けてきた方です。

今回、この本の執筆にあたり、実際に京都の丹後地方で僻地医療に奮闘されている医師の方を取材し、物語に厚みとリアリティと熱が注入されました。

誰もが心に傷を抱え、辛いことや悲しい思いを乗り越えて、生きていく。

この物語は、それぞれの成長譚であると同時に、もっともっと根本的な、生きること、死にゆくことに思いを巡らせるきっかけを与えてくれます。

人のすべて、人生のすべてを温かく、小さな小さな希望ととらえることができるようになる、そんな一冊です。

全国の書店員さんからも、感動のメッセージが届いています。

 

「生きている間にこの小説と出合えた奇跡に心から感謝します」(宗岡敦子さん・紀伊国屋書店福岡本店)

 

「この物語には人間の感情すべてが凝縮されている。そして人肌の温もりに満ちている」(内田剛さん・三省堂書店営業企画室)

 

「まいりました。頭の中でタイトルが瞬き目頭が熱くなりました」(藤村結香さん・宮脇書店本店)

 

「僻地医療の現実がここにはある。人生の終末を考えさせられ、感動を覚える稀有な小説」(安保貴司さん・伊吉書院西店)

 

「読み終えたとき、幸せという名の星の光が降り注いでくる」(渡辺啓市さん・ヤマテル柴田店)

 

『満天のゴール』

著/藤岡陽子

 

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