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2022.9.16

人間国宝、歌舞伎俳優、最期の日々に迫る!『中村吉右衛門 舞台に生きる』

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キーワード: エッセイ 随筆 写真集 追悼 伝統芸能 歌舞伎 舞台 エンタメ 中村吉右衛門

人間国宝、歌舞伎俳優、最期の日々に迫る!『中村吉右衛門 舞台に生きる』

絶筆エッセイ、画集、芸談、未完成絵本、在りし日の舞台写真収録!

昨年11月、77歳で他界した歌舞伎俳優の中村吉右衛門さん。

数々の多くの名演、名舞台を残した名優の人生は、生まれる前から運命づけられていました。

昭和19年、東京に生まれた吉右衛門さんは、播磨屋の跡取りになるべく、実の祖父である初代吉右衛門に養子になり、4歳で初舞台を踏みます。

以降、播磨屋の芸を継承するために心血を注ぎながら、独自の活動でも多くの足跡を残しました。

本書は、吉右衛門さんが倒れる直前まで書き続けたエッセイを軸にまとめたものです。

 

«今の僕は、無理してはいけない身体になっています。ですが、役者は無理をして初めてお客に認めて頂ける商売ですから、無理せずにさらさらとは、なかなかまいりません。ことさらに初代の築き上げた芸風は、全身全霊で役に成り切るものですから、どうしても無理をしてしまいます。そうしないと僕という役者は生きた人物に扮せない、そう思ってきました。

この災禍でつくづく感じたことですが、自分は舞台の上でしか生きられない。舞台の上で初めて人間として役者として生を満喫できるのだ。世阿弥(ぜあみ)の言葉に、「大方せぬならではあるまじ」というのがあります。身体はきかなくても、舞台に上がれる喜びを客席中に発散し、その幸せを心の底から満喫し歌舞伎芝居に浸れば、お客様にも楽しんで頂けるのではないか。今さらとお思いでしょうが、僕は今回のことで初めてそう思いました。»

(本書「舞台でしか生きられない」より)

 

コロナ禍で舞台に出られない心境や伝統芸への思い、老境の人生観など、まるで我々への遺言かと思われるような金言が綴られています。

エッセイ以外にも、下記のような貴重なコンテンツが盛りだくさん!

 

■ 舞台での圧倒的なオーラをカラーで堪能! 当たり演目の芸談も。

命がけで挑んだ晩年の舞台は圧巻!

若い役者やファンに向けて語った芸談も見逃せません。

 

■ 描き溜めた役者絵、芝居の小道具、日日の絵の数々・・・

「いつかはパリの美術学校で学びたい」

若い頃から描くことが日常だった吉右衛門さん。

当たり役から、カレンダー裏に書き込んだラフ画、未完成の絵本などを一挙公開!

 

■ 「鬼平犯科帳」ファン必読! 作家・逢坂剛が特別寄稿。

«平蔵独特の、ときによってべらんめえ口調になるせりふも、原作より生きいきとしているといったら、ほめすぎになるだろうか。»

(本書「鬼平犯科帳 長谷川平蔵を生きた吉右衛門」より)

 

■ 貴重な吉右衛門夫人インタビューも

19才の時、ひと回りはなれた吉右衛門丈と結婚した知佐夫人。

今まで表に出てこなかった夫人との出会い、右も左もわからなかった歌舞伎世界、素顔の吉右衛門丈など、初めて語る内容が満載です。

 

『芸に命を懸けた名優

中村吉右衛門 舞台に生きる』

著/中村吉右衛門

 

【著者プロフィール】

中村吉右衛門(なかむら・きちえもん)

歌舞伎俳優。日本芸術院会員、重要無形文化財(人間国宝)、文化功労者。昭和19年八代目松本幸四郎(初世松本白鸚)の次男として生まれる。祖父・初代中村吉右衛門の養子となり、昭和23年中村萬之助を名のり初舞台。昭和41年二代目中村吉右衛門襲名。俳優としての活躍に加え、松貫四の筆名で歌舞伎作品の脚本も手がける。

 

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