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2018.10.15
高齢者がキレるのは日本だけ?日本人固有の特徴を解明!『凶暴老人』
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「キレる高齢者」になりやすい脳のメカニズム
「キレない高齢者」になるための改善方法
駅やコンビニなどでやたらと駅員や乗客、そして店員を怒鳴りつけている高齢者が増えていると思いませんか?
こと暴行犯に限っては右肩上がりで増え続け、平成8年に比べて20倍もの逮捕者が出る始末です。
なぜ、高齢者は少し腹を立てただけで暴力をふるうのでしょうか。
認知科学の第一人者で高齢者をテーマに様々な実証実験を行っている著者はこのように推測します。
‹‹おそらくそれは実行機能、とくに抑制機能の低下と関連があるのでしょう。誰しも高齢になると「がまんする」のが苦手になるのです。だからといって認知症というわけではありません。行動を抑制する課題を、若い人と同じくらいうまくできる高齢者も数多くいますが、その人たちは行動を抑制するときに前頭葉をフル稼働させていることがわかりました。
そして、実行機能が弱い人ほど、前頭葉の血流が多くなること、また怒りを感じやすいこともわかります。
それらのことをまとめると、高齢者は少しイライラしやすくなっていたり、腹立つことを抑えにくくなっていたりする可能性が考えられます。››
しかも、著者によれば、こうした「キレる高齢者」というのは、日本だけに見られる傾向であり、世界ではそのようなことはない、というのです。
‹‹日本では高齢者の暴行事件が多い、ということが問題になっていますが、そのことについて、海外ではどのような研究や取り組みがなされているのかを調べてみました。しかし、「高齢者」や「暴行」という言葉を入れて検索しても、論文や研究は見つかりません。むしろ、それらのキーワードで出てくる論文は、弱者である高齢者が暴力の被害にあっている、というものばかりでした。››
いったいなぜ、日本だけにこのようなお年寄りが増えたのでしょうか。
本書では認知科学という研究分野から多くの実証実験を重ねて、「キレる高齢者」になりやすい脳のメカニズムを探るとともに、日本の高齢者が精神的に追い込まれる理由についても言及。
豊富な実験データから「老い」の正体を解き明かします。
さらには、「キレない高齢者」になるための改善方法を紹介!
こちらはその一部です。
●怒ったときは仰向けに寝転ぶといい
●「脳トレ」での認知能力の改善効果は・・・
●前頭葉の実行機能を高めるのは有酸素運動が有効
●将棋、囲碁、麻雀では認知能力は鍛えられない!?
●認知能力を高めるためにはビデオゲームが効果的
現在、高齢の方も、ずっと先にそうなる方も、年齢を重ねることでどのような変化が起きるか理解できる一冊!
これで、あなたも嫌われない高齢者になれます。
「この本を手に取られるのは、ご高齢の方が多いと考えていますが、本書では、加齢に伴いどのような認知の変化が生じるのか、高齢者の認知の弱点は何か、なぜ怒りやすくなる人がいるのか、どうすれば認知能力を高く保てるのか、幸せな高齢期を過ごすコツとはなにか、ということについて、わたしたちの研究も含めて実証的な研究に基づいた最新の知見を紹介しています。本書を読んで、参考にしていただければ幸いです」(著者「おわりに」より)
著/川合伸幸
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