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2018.9.6
『天皇はなぜ紙幣に描かれないのか』教科書が教えてくれない日本史の謎30
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歴史の謎を解くカギはあらゆるところにひそんでいる!
日本古代史研究者、三上喜孝(国立歴史民俗博物館教授)が贈る、知られざる日本史の謎30に迫る歴史エッセイ。
取り上げる時代やテーマはさまざま。
「細かいところにこだわることで、歴史の見方が変わってくる」という観点から、教科書だけでは決して知ることのできない歴史の真実と、その教訓を紐解く。
‹‹学校で習う歴史や教科書に書かれている歴史は、政治の流れや権力の移り変わりを中心に語られることが多い。そこに登場する人物も、歴史の表舞台で活躍した英雄や政治家、宗教家や文化人といった有名人ばかりである。歴史は、あたかもそのような人たちによってつくられたかのように錯覚してしまいがちである。
しかし実際はそうではない。歴史とは、一部の権力者たちによる物語などではなく、無数の人びとによって紡がれてきた豊かで多様な時間の集合体なのだ。そう考えてみると、歴史を考えるヒントというのは、あらゆるところにひそんでいるといえる。いま生きている社会や自分自身の暮らしを見つめ直すこともまた、歴史を考えるためのヒントなのである。››(「前口上――本書の読み方」より)
いまあたりまえのように存在しているものでも、見方を変えると、「なぜ?」と考えさせられる物事がある。
たとえば、本書のタイトルになっている『天皇はなぜ紙幣に描かれないのか』。
世界の主要国の紙幣や銀行券には、国王や大統領などの国家元首が肖像画として描かれていることが多いのに、日本ではなぜ、歴代の天皇が紙幣の肖像画として選定されなかったのだろうか。
著者は、その理由として、「貨幣のもつ、ある特性がかかわっているのではないだろうか」と推測し、ひとつの結論を導いている。
そのほかにも――――
・手塚治虫は、なぜ「火の鳥」の中で「騎馬民族征服王朝説」を描いたのか?
・歴史上の悪者「物部守屋」は、なぜ後世になって顕彰の対象になったのか?
・聖徳太子は、「万能の政治家」だったのか?
・豊臣秀吉と砂糖との意外な関係とは?
・「源義経=チンギス・ハン」説はどのように生まれ、そして広がっていったのか?
・なぜ、電話もインターネットもなかった江戸時代に、全国津々浦々、同じような落書きが広がったのか?
・歴史に残る災害記録の数々は、現代に生きる私たちに何を物語っているのか?
など、気になるエピソードの数々。
基本的には一話完結型になっているため、時間のあるときに、気軽に日本史の迷宮を旅することができる。
〈目次〉
前口上――本書の読み方
第一章 歴史の断片から、いにしえ人の暮らしと心をよむ
第二章 時空を越えて、歴史は再生産される
第三章 災害や自然環境の変化が、人びとの意識を変える
おわりに――本書の舞台裏
著/三上喜孝
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