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2018.1.23

小三治ワールドにひたる〝読む落語〟『柳家小三治の落語 [8]』

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キーワード: 落語 柳家小三治

小三治ワールドにひたる〝読む落語〟『柳家小三治の落語 [8]』

マクラもたっぷり! 当代最高峰の至芸を読む!

いまも続く名落語会「TBS落語研究会」。

その会での柳家小三治の高座を収めたDVD BOOK「落語研究会 柳家小三治大全 [ 上][下]」のなかから、下巻に収録の6編を〝読む落語〟として文庫化!

2014年に人間国宝に認定され、落語界を牽引する現役最高峰の高座は常にいっぱいで、小三治ファンのみならず、多くの落語ファンをいまも魅了し続けています。

シリーズ第8巻の演目は、「山崎屋」「宿屋の仇討」「鰻の幇間」「長屋の花見」「蒟蒻問答」「野ざらし」。

2000年3月~2005年3月に口演されたものです。

 

‹‹なんと言っても一年を通じていちばん陽気がいいというのが、まあ春先でしょうね。

春先でもわたしは何がいいかってぇと、だんだん暖かくなってきて、で、花が咲きたくなってきたんでしょうね。

花が咲きたくなるってぇと、木の幹とか、それから蕾がないのに枝の先まで赤みがほんのりとさしてくるってぇことが、実にうれしいですね。そのころにはもちろんその木ばかりじゃない周りの様子もみんな春の装いになってくるという、ああ、春だなあというときが、なんともうれしいときでございます。「銭湯で上野の花の噂かな」なんて。››(「長屋の花見」まくらより)

 

収録された6編は60代の名演で、その話芸は読んでも可笑しく、しかも深い味わいがあります。

小三治本人の入念な推敲加筆により、行間に繊細なニュアンスも読み取れて、まるで高座が目の前に現れるような臨場感!

物語の面白さ、登場人物の魅力、情景など、徹底して追求する名人の至芸を、たっぷりご堪能ください。

各演目の解説は、京須偕充。

演目ごとにわかりやすい用語解説もついています。

 

「柳家小三治はまくららしいまくらもなしに、ふわりと貧乏長屋の門口に立った。卵と沢庵漬の価格差が消えたことなどは聴き手が頭の片隅で小さく納得すればいいことだ。みんなその日暮らしの連中だからかえって、その日限りの楽しみを楽しむことに気が揃う。

五代目柳家小さん、九代目入船亭扇橋、当代、十代目柳家小三治。三人の師弟が大切に温めてきた〝長屋の花見〟はこの噺の、衒いのない自然な演じ方こそが、噺の花を永遠に咲かせる秘法であることを示している」(「長屋の花見」解説より)

 

2017年12月既刊の「柳家小三治の落語 [7]」には、「落語研究会 柳家小三治大全  [下]」より「大工調べ」「転宅」「らくだ」「百川」「ミイラ取り」「金明竹」「素人鰻」を収載!

こちらもぜひご一読ください。

 

また、DVD BOOK「落語研究会 柳家小三治全集」、「落語研究会 柳家小三治大全  [上][下]」も好評発売中です。

DVD BOOKの詳しい内容は、こちらの特設サイトへ!▶▶▶http://www.shogakukan.co.jp/pr/kosanjidvd/

 

小学館文庫

『柳家小三治の落語 [8]』

著/柳家小三治

 

★こちらもオススメ!

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