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2016.10.20

日本人が「草食系」ではいられなくなる日は近い? 『草食系のための対米自立論』

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キーワード: 政治 社会、 サブカルチャー 映画 日米関係

日本人が「草食系」ではいられなくなる日は近い? 『草食系のための対米自立論』

困ったらアメリカが助けてくれるなんて幻想だ!

 

 尖閣や南シナ海、中国の膨張が招く不安定な東アジア情勢、

 福島原発事故でみた米軍の対応、

 北朝鮮に対する「テロ支援国家指定」解除

 

 「はたしてアメリカはいざというとき、日本を助けてくれるのか?」

 そんな疑問が日本人のなかに広がりつつある。

 

 政治やネット右翼などを論じ、「左翼も右翼もウソばかり」「ヒトラーはなぜ猫が嫌いだったのか」などの著書をもつ、いま注目の若手評論家・古谷経衡は、国家を揺るがすような危機が起こることを想像してこなかった日本人のことを「草食系」と呼んでいる。

 

    ‹‹私が強く惹かれるのは、戦後、半世紀以上も自明のこととして疑わなかった日米同盟という庇護が、遠くない将来なくなるのではないか、あるいは無効化するのではないか、という状況を想像したときの、日本人の心の震え、そのさざ波ににも似た騒音の現状と行方、そのものにある››

  ‹‹自分で決め、自分で実行し、自分の意思を表明することに慣れていない日本人は、初めての場面に直面して震えている。この、下を向き、ぼそぼそと小さい声でしゃべりながらも、何かたぎるような衝動をうまく形にしようともがいている、まるで童貞を捨てる一歩手前の日本人の状況を、私は政治的「草食系」と呼ぶ›› 

  

 本書のタイトルは『草食系のための対米自立論』だが、「対米自立をするための方策」ではなく、戦後70年を経て、「初めてアメリカという庇護を失い、動揺する日本人の心」を描写している。

 

映画「シン・ゴジラ」、「311」、「トランプ現象」のつながりを解く!

 

 古谷氏は、今年大ヒットした映画「シン・ゴジラ」を観た多くの人は、外国から日本が攻撃を受けたとき、米軍は守ってくれるのか、疑心暗鬼になったはずだ、と分析し、また、この国で生きていくしかない日本人の現状を示唆している、と指摘。

 

   ‹‹この作品は、戦後の日本、いや「311」以降に生きるすべての日本人がいかに生き、いかにこの国のありようを決定するかを、徹底的なディティールと圧倒的な庵野流の演出によって描き出した21世紀邦画における最高の傑作である››

  ‹‹絶望の傍らにある希望。絶望と知りながら、なお、この国で生きていかなければならない現実。しかしその傍らにこそ存在する、うっすらとわずかに明滅する希望の光を、庵野はこの作品の中に注ぎ込んだ›› 

 

 本書では、「シン・ゴジラ」が提示したテーマから、危機に立ち向かうのは、ほかでもない日本人しかいないのだという明らかな事実をあぶり出す。

 

 また、共和党大統領候補に指名されたドナルド・トランプの「日本が在日米軍の駐留費を全額負担しなければ米軍撤退もありうる」「(日本や韓国は)自分の国は自分で守るべきであり、そのためには核兵器保有を許容する場合もある」といった発言が、「3・11」から5年が経過し、危機感が薄れてきた日本人の心を、どのように揺さぶったかを検証する。

 

 人間たるもの、国家たるもの、いつまでも「草食系」ではいられない。

 日本人はいつ「草食系」から抜け出すことができるのか?

 甘い幻想を一掃する、刺激作!!

 

小学館新書

『草食系のための対米自立論』

著/古谷経衡

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