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2016.8.16

練習をサボる白井健三を変えた内村航平のひと言。『12歳の約束 そして世界の頂点へ』

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練習をサボる白井健三を変えた内村航平のひと言。『12歳の約束 そして世界の頂点へ』

  恐るべき19歳は、どうやってつくられた? 

 

 リオデジャネイロオリンピック、体操の男子団体総合決勝で日本は2004年アテネ大会以来3大会ぶりの優勝! 予選でミスが相次ぎ、決勝でも苦しんだ日本ですが、エース内村航平選手がひっぱり、加藤凌平選手が安定した演技で支え、白井健三選手もメンバー最年少とは思えない落ち着いた演技で、金メダルに大きく貢献しました。

 さらに、白井選手は種目別でも、跳馬で新技の「伸身ユルチェンコ3回半ひねり」を成功させ、銅メダルを獲得!!

 

 世界を驚かせた、この恐るべき19歳は、いったいどうやってつくられたのでしょう?

 白井健三選手は元体操選手で体育の先生でもある父・勝晃(まさあき)さんと母・徳美(のりみ)さんの間に生まれました。学校の体育館で体操教室を開いていた父のもとで、おむつをつけていたころから遊んでいた健三選手。彼が体操をはじめたのは3歳のころ、初めて大会に出たのは5歳のときでした。その後、ズバ抜けた運動能力をみせ、体操関係者の間で話題になっていた健三選手ですが、中学1年生でブランクがやってきます。地味な基礎練習がイヤになり練習をサボりはじめ、小学6年生のときはナショナル強化選手に選ばれたのに、中1では落選。そのことがまた彼のモチベーションを下げました。

 

 スランプから復活するきっかけになった、ふたつの出来事!

 

 練習に身が入らない・・。そんなとき、健三選手に声をかけたのが、ほかならぬ内村航平選手でした。

 

  ‹‹「もう少しちゃんと練習しないと伸びていかないよ」››

 

 小学6年生のとき、内村選手から「きみはとってもひねりが上手だね。19歳か20歳になったら僕と一緒にオリンピックに出よう」と言ってもらった嬉しさでがんばってきたのに、このままではダメだ、とやる気が芽生えてきた健三選手。

 

 それにくわえて、中2のとき、父・勝晃さんがつくった「鶴見ジュニア体操クラブ」も、彼にとって転機になりました。父がアイディアを出して特別につくった特製トランポリン「タントラ(タンブリング・トラック)」を使った練習が楽しかったこと。また、同体操クラブの水口晴雄コーチの「体操を楽しむ」指導法がしっくりきたことで、基礎練習の反復に折れかけていた心に再び火がつきます。

 

  ‹‹「水口先生と出会ってからは、一度も自分から練習をサボったことはありません。けれども、やらなきゃいけないという感じがあったわけでもなく、自発的に練習に行きたくて行っていたのです」››

 

 あこがれの内村選手からの"喝"、難しい技にチャレンジすることでモチベーションが上がっていく健三選手の"性質"と水口コーチとの"相性"があいまって、彼はグングン成長していきます。

 

 そして、12歳のとき卒業文集に書いた「オリンピックで金メダルを取る」を、その7年後のリオ五輪で実現しました。

 白井健三選手のチャレンジは、2020東京五輪に向けて、これからも続いていきます!

 

小学館ジュニア文庫

『12歳の約束

そして世界の頂点へ』

著/矢内由美子 著/寺野典子 イラスト/石野てん子

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