主催 (株)小学館 週刊ポスト/女性セブン/SAPIO
大 賞
『ウスケボーイズ
──日本ワインの革命児たち
』
(河合香織)
『エンブリオロジスト
──いのちの素を生み出す人たち
』
(須藤みか)
優秀賞
該当作品なし
「週刊ポスト」「女性セブン」「SAPIO」3誌主催による「第16回 小学館ノンフィクション大賞」の最終選考会にて、受賞者を決定いたしました。
選考の結果、大賞に2作品『ウスケボーイズ─日本ワインの革命児たち』河合香織、『エンブリオロジスト─いのちの素を生み出す人たち』須藤みか、を選考しました。なお、優秀賞の該当作品はありませんでした。
大賞受賞者には賞金として各250万円が贈られます。なお、贈賞式は、9月11日(金)午後6時30分から、東京會舘にて行う予定です。
《概要》
「海外の銘醸地にコンプレックスを感じながら日本でワインを造る時代は終わった。君たちは本気で海外に負けないワインを造りなさい」
日本のワイン造りを主導した醸造家・麻井宇介は、余命宣告をされた入院中の身にも関わらず、病院を抜け出して若いワインの造り手に自分の最後に遺したい言葉を伝えた。その教えを受けた山梨大学大学院で机を並べた岡本英史、城戸亜紀人、曽我彰彦は、師の遺志を受け継ぎ、「ウスケボーイズ」と自らを名乗り、目指すワイン造りにすべての情熱を傾けるようになる。会社を辞めて、ぶどう畑に立ち365日朝から晩まで畑の作業をし、秋にはその自らつくったぶどうでワインを仕込む。
彼らはそれまでの日本のワイン造りに異を唱え、日本ではできないと信じられたワイン用ぶどうの栽培に取り組んだ。時間のすべては畑に費やし、食事を削るほど金もなくなったが、それでも自家農園100%を目指し、畑を広げていった。
そして10年──。「絶対に無理だ」と言われた垣根式でのワイン用ぶどうの栽培から、彼らは素晴らしいワインを造って評価を得るようになった。それはどこにも似ない日本独自のワインであった。「 フリットが輸入された時に日本人はそれを天ぷらに進化させた。日本的美意識のつまった天ぷらみたいなワインを造りたい」
ウスケボーイズはなぜそこまでしてワインを造るのか。それまで誰も成し得なかった日本で本当のワイン造りに打ち込んだ青年たちの挑戦を辿っていくと、行き着いたのは生産者と消費者がともに物づくりをする理想的な関係であった。
《著者プロフィール》
1974年岐阜県生まれ。神戸市外国語大学外国語学部ロシア学科卒業。ノンフィクションライター。2004年に出版した『セックスボランティア』で、障害者の性と愛の問題を取り上げ、話題を呼んだ。2007年『誘拐逃避行─少女沖縄「連れ去り」事件』(新潮社)を出版。
《概要》
起きてはならない医療ミスが起きてしまった。香川県立中央病院で2008年9月中旬に起きた受精卵取り違えである。不妊治療のために体外授精を受けた20代の女性Aさんに対して別の患者Bさんの受精卵が移植された疑いがあるとして、Aさんは妊娠9週目に人工中絶せざるを得なかった。Aさん夫妻、そして受精卵の本来の親であったはずのBさん夫妻の悲嘆は筆舌に尽くしがたいものだろう。取り違えは、担当医師が同じ作業台の上に別の患者の受精卵が入った容器を残していたことが原因だとされている。初歩的なミスであり、事故防止マニュアルを作り厳格な安全体制の確立が急務だ、と指摘されている。確かにそうだが、そもそも医師が受精卵を扱うという体制自体に問題があったのではないか。つまり、受精卵は専門職にある人間が扱うべきだったと思うのだ。
体外受精によって2006年に生まれた赤ちゃんの数は1万9587人。2006年の出生数は109万2674人だから、56人に1人が体外受精児ということになる。
かつては「試験管ベビー」と呼ばれた体外受精だが、体外受精児の数が示す通り、ポピュラーな治療法となった。その体外受精において、肝心の受精卵操作を行うのがエンブリオロジストである。エンブリオロジストの技量が妊娠率を左右すると言われるほど、不妊治療の中で重要な役割を担っている。しかし、エンブリオロジストは医療の現場に立ってはいるものの、国家資格を必要としない職業である。
どんなバックボーンを持った人間が、いのちの素を作るこのエンブリオロジストという職業についているのか。彼らは日々、何に悩み、喜び、苦しみながらこの仕事を続けているのか。エンブリオロジストたちの等身大の姿に迫った。
《著者プロフィール》
1965年熊本県熊本市生まれ。出版社勤務を経て、中国へ留学。中国の国営出版社勤務ののち、フリーランスに。上海を拠点に、多分野にわたって取材を続けている。著書に、『上海ジャパニーズ 日本を飛び出した和僑24人』『上海発!新・中国的流儀70』(講談社+α文庫)『コレなに?これアリ? 中国人』(小学館) など。
16回目を数える今回は、2009年4月末日に募集を締め切り、432編におよぶ力作が寄せられました。この中から次の6作が、7月24日午後5時から山の上ホテルで開かれた最終選考にかけられ、桐野夏生、椎名 誠、関川夏央、高山文彦、二宮清純、溝口 敦の各選考委員により受賞作が決定いたしました。
◆
ウスケボーイズ──日本ワインの革命児たち
河合香織
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エンブリオロジスト──いのちの素を生み出す人たち
須藤みか
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記憶よ、蘇れ──癒されざる者たち
真並恭介
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幻の騎手──最年少ダービージョッキー・前田長吉の生涯
島田明宏
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最後の伴天連
古居智子
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情熱の深淵 日本人闘牛士、世界唯一の挑戦
濃野 平
賞金
大賞=500万円(複数受賞の場合は分割) 優秀賞=100万円
発表
8月中旬の『週刊ポスト』『女性セブン』『SAPIO』誌上で発表いたします。受賞作は年内に単行本として刊行予定です。
選考委員
桐野夏生(作家)、椎名 誠(作家)、関川夏央(作家)、高山文彦(作家)、
二宮清純(ジャーナリスト)、溝口 敦(ジャーナリスト)
贈賞式
9月11日(金)午後6時30分から、東京會舘にて行う予定です。
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