お知らせ
2017.12.13
今年の流行語大賞「忖度」は、日本社会に巣食う〝病〟だ。『忖度バカ』にならない生き方を医師が指南!
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病気のなかにその人の生活や、背景にある社会が見える!
今年の「ユーキャン新語・流行語大賞」に「インスタ映え」「忖度」が大賞に選ばれました。
「インスタ映え」はまさに新しい社会を象徴する言葉ですが、「忖度」については古くから日本社会に深く根を張る不滅の病理です。
「忖度」しすぎる「忖度バカ」が生まれるのは、安倍晋三首相の森友・加計学園問題のような政治の場だけではありません。
会社や学校、また、医療の現場など、さまざまなところで生まれ、忖度疲労を起こしています。
その体質は、相手がお殿様であり、天皇であり、米国であり、社長であり、時代が変わり、相手が変わっても、私たちの国に根深く潜んでいるのです。
医師として「住民とともに作る地域医療」の最前線で活躍し、ベストセラー「がんばらない」などの著者をもつ著者は、7、8年前から日本の社会の上に漂う「空気」のようなものに着目してきました。
‹‹ぼくは40年以上、内科医をしています。脳卒中や動脈硬化症、高血圧、糖尿病、脂質異常症・・・・・・といった身近な生活習慣病を診ていると、病気のなかに、ぼくたちの社会が持つ課題やゆがみが映り込んでいることがよくあります。もちろん、病気はさまざまな要素が絡み合って起こりますが、病気のなかにその人の生活や、背景にある社会が見えるのです。
いちばんわかりやすいのは、うつ病です。睡眠障害に陥りやすいような不規則な勤務シフト、昼夜逆転の生活、すぐに結果を出さなければならない成果主義、長期的な展望がない非正規雇用、親の介護負担、経済的不安・・・・・・。それらが心に大きくのしかかり、うつ病という形で表面に現れると考えられます。
これらの要素に対して、個人が対処法を身に付けたり、社会全体で解決するようにしていくことで、うつ病の発症は抑えられるのではないかと思います。
病気が、ぼくたちに警告を発しているのだとしたら、「忖度」という病はどんな問題を警告しているのでしょうか。››
著者は本書の中で、日本社会にはびこる「忖度」という病について、「忖度症候群」と命名。
症状を下記6つに分類しています。
①視野狭窄
②記憶障害
③認知のゆがみ
④過剰適応
⑤共依存
⑥忖度機能不全
病的な忖度はなぜ生まれるのか?
そうならないためにはどうしたらいいのか?
さまざな「忖度」のパターンを検証し、「暗黙の空気」の正体を解き明かし、服従しない生き方を提唱します。
「忖度バカはなぜ、生まれるのか、ずっと考え続けてきました。
ぼくたちの国は、中国や北朝鮮のように、忖度しないといつ粛清されるかわからない国ではありません。
でも、どういうわけか、自由の国ニッポンに病的な忖度がはびこっています。
病的な忖度は、権力が集中する一強体制に生まれます。
排外的な空気や分断がある会社にも、組織にも、家庭にもはびこります。
ぼくたちの国は、本当に自由なのでしょうか」
「忖度」をキーワードに、SNS、監視社会、健康フェイク情報、地域医療、AI・・・まで〝カマタ節〟炸裂の一冊です!
小学館新書
著/鎌田實
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