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2016.8.10

「宝くじ三億円当たったら何に使う?」子どもたちから出てきた答えは・・・『「みんなの学校」流・自ら学ぶ子の育て方』

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「宝くじ三億円当たったら何に使う?」子どもたちから出てきた答えは・・・『「みんなの学校」流・自ら学ぶ子の育て方』

"みんなの学校"が教えてくたれたこと』に続く第2弾!

 

  「不登校ゼロ、すべての子が共に学び合う"奇跡の小学校"」とよばれる、大阪市立大空小学校初代校長の木村泰子氏。初著作である『"みんなの学校"が教えてくたれたこと』は、大ヒットしたドキュメンタリー映画「みんなの学校」をベースにその取り組みを活写し、版を重ねて現在7刷に達しています。

 

 2作目となる本作では、木村氏の「大空小学校」での取り組みをはじめ、木村氏が45年間の教職生活から体得した「実践的教育論」を展開しています。

 

 本作のタイトルにもなっている「自ら学ぶ子」は、いまの学校現場でのキーワードです。学校で、はたまた家庭で、この「自ら学ぶ子」を育てるにはどのようにすればよいのでしょうか? 木村氏はしばしば「大人が子どもに寄り添い、子どもに学べば、子どもは勝手に育つ」と口にします。本作では、具体例を数多く盛り込んで、このブレないポリシーをわかりやすく解説していきます。

 

 新刊『「みんなの学校」流 自ら学ぶ子の育て方』の章立ては、

 

  第1章 子どもに常に寄り添い、「子どもに学ぶ」ことの大切さ

 

  第2章 「子どものトラブル」が生かされる、本当の学びづくり

 

  第3章 全教師が全児童と関わる「学年経営」「学校経営」のすすめ

 

  第4章 そして自ら学ぶ子が育ち、学校が大きく変わる!  

 

  各章ごとに学校での具体的な取り組みを中心に例を挙げています。そのなかでも、ユニークなのが、第3章に登場する「全校道徳」。ただ校長の話を聞くだけの全校朝会がムダな時間だと考えていた木村氏が、退職3年前からはじめたことです。「全校道徳」は、いっさい打ち合わせなし、シナリオなし。朝、全員が集まったら、MCである木村氏がホワイトボードにその日のテーマを書きます。テーマがわかったら「はい10秒」。子どもたちが考える時間です。

 

 この「全校道徳」で、木村氏はどんなことをテーマにしていたのでしょう? いくつか挙げてみると・・・

 

・ なぜ『学校』はあるのだろうか

・ 人を大切にするってどういうこと?

・ 誰一人掃除をしなくなったら学校はどうなるでしょう?

・ もし自分がサンタクロースだったら

 

 などなど、テーマはさまざまですが、そのなかでも、いちばん盛り上がったのは・・・・・・

 

  「当たりました! 宝くじ三億円! あなたはどんなふうに使いますか」

 

 これに対し、子どもたちから出てきた意見は以下のようなものでした。

 

  「給食に豪華なデザートをつける」

 

  「学校の遊び道具や図書館の本を増やす」

 

  「貯金をして、いざという時に使えるようにする」

 

  「震災で被害を受けた人のために使う」

 

  「水道からアクエリアスやポカリが出るようにする」

 

 このような本当の学びを「全校道徳」という場だけでなく、日々の授業のなかでもつくりあげていくには、「教師が自分自身の行為(子どもたちへの働きかけ)とその結果である子どもの事実に対して省察し続けることが必要です。本当に日々の授業は、日々の教育は、子どもが主体的に学ぶものになっているかどうか、常にふり返ることが必要」と木村氏は言います。

 

 本書は教師の方々にはもちろんのこと、場面を置き換えつつ読んでいただければ、保護者の方々の「子育て」にも有用な情報となる一冊です。

 

(著者プロフィール)

木村泰子(きむらやすこ):大阪市出身。武庫川学院女子短期大学(現・武庫川女子大学短期大学部)卒業。2006年に開校した大阪市立大空小学校初代校長。「みんながつくる みんなの学校」を合い言葉に、すべての子どもを多方面から見つめ、全教職員のチーム力で「すべての子どもの学習権を保障する学校をつくる」ことに情熱を注ぐ。2015年春、45年間の教職歴をもって退職。現在は全国各地で講演活動に多忙な日々を送る。 

 

『大人がいつも子どもに寄り添い、子どもに学ぶ!

「みんなの学校」流・自ら学ぶ子の育て方』

著/木村泰子

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