STORY

花実は中学三年生となった。進路を考える年頃。そして、ほんのり初恋の気配も。そんなある日、花実の母・真千子がひったくりの被害に遭う。その事件から、花実は「金」に対しての意識がより強くなり、よりシビアな中3となる。事件の犯人が判明するが、それは予想外のほろ苦い結果に。
そんなある日、見知らぬ女性から祖母タツヨの訃報が届く。以前「太陽はいつもひとりぼっちだ」と言い放ち去って行った祖母。そして、その女性からタツヨの日記を渡される。そこには、暗く辛い昭和を生き抜いてきたタツヨの長い長い凄惨な人生が刻まれていた。それを読んだ花実は……。

担当編集より

初稿を読んだときの衝撃はすごいものでした。前半、クスッと笑えてじわっと泣かせる「るりか節」を楽しんでいたところ、後半にきてハンマーで殴られたような衝撃が。「えええ」と思わず驚くことをお約束します。そして、相変わらずの昭和ツウぶりに「一体、人生何回生きているんだろう」と本気で思うこと間違いありません。
『さよなら、田中さん』そして『太陽はひとりぼっち』『私を月に連れてって』に続く、人気の花実母娘シリーズ。この母娘のルーツにこんなことがあったなんて。ショックを受けつつも、だからこその真千子の母親としての頑張りや、かつてのタツヨの言葉が、大変な説得力をもって迫ってきます。それにしても、小学生の時に執筆した小説とすべてをリンクさせて、オチをつけてくるなんて、著者の力に思わず唸りました。
是非、この世界を味わってみてください。そして、ご感想を是非お聞かせください。よろしくお願い致します!

読者の声
著者プロフィール
  • 鈴木るりか(すずき るりか)

    2003年、東京都生まれ。
    小学4年、5年、6年時に三年連続で小学館主催の『12歳の文学賞』大賞を受賞。2017年10月、14歳の誕生日に『さよなら、田中さん』でデビュー。12万部を超えるベストセラーに。2018年、『14歳、明日の時間割』を刊行。2019年『太陽はひとりぼっち』、2020年『私を月に連れてって』を刊行。
    近著は、2021年2月、現役受験生ながら受験勉強と並行して執筆した『落花流水』。現在、早稲田大学社会科学部2年生。漫画研究会所属。

既刊
星に願いを
落花流水
私を月に連れてって
太陽はひとりぼっち
14歳、明日の時間割
さよなら、田中さん
  • X(旧Twitter)
  • facebook