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2021.7.13

辻村深月、星野博美、白石和彌激賞!! 第27回小学館ノンフィクション大賞受賞作!『愛を描いたひと イ・ジュンソプと山本方子の百年』

キーワード: ノンフィクション 美術 アート 戦争 李仲燮

辻村深月、星野博美、白石和彌激賞!! 第27回小学館ノンフィクション大賞受賞作!『愛を描いたひと イ・ジュンソプと山本方子の百年』

韓国の国民的画家とその日本人妻、知られざる物語。

イ・ジュンソプは韓国の国民的画家である。

朝鮮半島の平原(現在は北朝鮮)に生まれ、日本統治時代に東京で絵を学び、朝鮮戦争により釜山へ避難。

1956年にソウルで没した。

その人生は映画や演劇の題材とされ、美術の教科書にも掲載されている。

しかし、日本で名を知るものは少ない。

その妻・山本方子は日本人である。

方子は、貧困と混乱の極みにあった朝鮮半島に夫を残し、幼な子とともに日本に帰国した。

夫への愛を胸の奥にしまい、ひたすら子供のために暮らしを支えた。

筆者は、韓国での現地取材に加え、夫婦が交わした数々の手紙、方子へのロングインタビューから、運命に引き裂かれた夫婦の実像を描く。

 

«一家の足跡を追えば追うほど、私の胸はぽかぽかした気持ちで満たされるようになった。そして、この物語を日本でも伝えたいという意欲にかられるようになった。李仲燮に関する書籍は韓国では多数出版されているものの、正確性に欠けるものも多く、日本ではその翻訳本すら出ていない。

韓国でのこの圧倒的な知名度とは対照的に、日本ではほぼ無名の画家である。個人の展覧会が日本で開かれたことは一度もない。かつて開催が企画されたことがあったが、韓国のコレクターが難色を示したりしたため、実現に至らなかったという。しかし、きらきらと光る銀紙画や日本語で記された絵手紙を目にすれば、きっと私と同じように日本でも多くの人が心を揺さぶられるに違いない。

方子へのインタビューを通じ、肉声をありのままに発信したいという思いも強まった。彼女がどれだけ李仲燮を愛していたか、いや今も愛し続けているのか。それが韓国ではほぼ伝えられていないどころか、曲解すらされている。»

(本書「プロローグ」より)

 

カラー口絵に26点の絵・手紙を収録、未公開書簡も多数掲載!

 

第27回小学館ノンフィクション大賞、堂々の受賞!!

こちらは選評です。

 

辻村深月(作家)――この作品を通じて彼という画家の存在を多くの人たちに知ってほしいと純粋に願う。

 

星野博美(ノンフィクション作家)――太く短く生きた情熱的な画家と、日々を懸命に生きた寡黙な妻。その非対称性が胸に迫り、日韓の微妙な関係性まで映し出しているように思えた。

 

白石和彌(映画監督)――朝鮮戦争時に、家族に怒濤の勢いで押し寄せてくる歴史の荒波が、あたかもそこにいるかのような臨場感で迫ってくる。

 

■ 第27回小学館ノンフィクション大賞受賞の言葉

幼い頃からノンフィクションは好きだった。しかし自分が書くことになるなど、考えてみたこともなかった。

日本統治時代の出会い、北朝鮮・元山での新婚生活、朝鮮戦争による韓国への避難、そして国交がなく果たせなかった家族の再会。これだけ壮大なストーリーをどこからどう伝えたらいいのか。ある時は優れたノンフィクション作品、ある時は恋愛小説に筆運びを学ぶ日々だった。気が付けばソウル特派員時代の2016年に取材を始めてから4年以上が過ぎていた。

何とか書き切ることができたのは、夫婦が交わした数々の手紙や作品の世界を日本でも伝えたいという使命感のようなものがあったためだろう。日本語で書かれた李仲燮の手紙は愛情にあふれながら、しばしば苛立ちを爆発させていた。方子さんはそんな彼を画家の妻として理解し、支えようとした。2人の夫婦の物語は、民族や国家、戦争といった難しいテーマを超越していた。理屈抜きに、ただ、お互いを必要とした。取材を進めるにつれ、そうシンプルに受け止めるようになっていった。

新型コロナウイルスの感染拡大により、ある日突然大切な人に会えなくなることを私たちは知った。方子さんはそれを半世紀以上前に経験しながら、今も胸に夫を抱いて生きている。取材を通じ、人が幸せに生きるとはどういうことなのか、考えさせられた。そんな私の作品に込めた思いが、多少なりとも評価していただけたのではないかと感謝している。

 

〈目次〉

プロローグ

第一章 アゴリ

第二章 戦火のもとで

第三章 南へ

第四章 失郷民

第五章 また来るよ

第六章 手紙

第七章 最期

第八章 縁側のミシン

エピローグ

 

『愛を描いたひと イ・ジュンソプと山本方子の百年』

著/大貫智子

【著者プロフィール】

大貫智子(おおぬき・ともこ)1975年神奈川県生まれ、早稲田大政治経済学部卒。2000年毎日新聞社入社。政治部、ソウル特派員、論説委員などを経て2021年4月より政治部で主に外交を担当している。本書が初の著書になる。

著者のエッセイ「この本 私が書きました」はこちら!▶▶▶https://shosetsu-maru.com/yomimono/essay/aiwoegaitahito

 

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