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2020.12.9
華麗なるバレエ・ミステリー第2弾!『眠れる美女』
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キーワード: 小説 ミステリー サスペンス バレエ 眠れる森の美女
「眠れる森の美女」をテーマに、バレエ団の内情を描く。
「ジゼル」の悲劇から1年、ダーティなイメージを払拭するために、「東京スペリオール・バレエ団」として新たなスタートを切った元東京グランド・バレエ団の団員たち。
「ジゼル」で準主役を務めた如月花音はダンサー兼理事を務めることになった。
旗揚げ公演の打ち合わせは、冷徹な銀行マンの登場で初日から波乱含みだ。
«「一般企業では、そんなの通用しませんよ。芸術は金を回収できなくて当然なのですか? おかしいでしょう? それは芸術を前面に出した、甘えではありません?」
甘え――
花音は言い返せなかった。
確かに、赤字でも仕方がないとあきらめている節はあった。これまで経済的なことを心配せず、ただ踊ることに集中していればよかったのだ。いかに総裁や蝶野、嶺衣奈に守られていたかということを痛感する。
しかし、これからはそうはいかない。花音には理事としての責任がある。バレエ団を、団員を守らなくてはいけないのだ。»
(本文より)
旗揚げ公演は「眠れる森の美女」。
[眠れる森の美女-The Sleeping Beauty-]
ヨーロッパの古い民話。
ある国でオーロラ姫が誕生するが、洗礼の式典に招待されなかった邪悪な妖精カラボスは姫に「16回目の誕生日に死ぬ」という呪いをかける。
オーロラ姫は100年の眠りにつき、呪いを解くには王子の口づけが必要になる。
クラシック・バレエのもっとも有名な演目のひとつ。
演出家と主役は興行的理由から外部に委託することになった。
〝バレエ界の至宝〟シルヴィア・ミハイロワ演出×〝世界的プリマ〟のユリカ・アサヒナ主演。
これ以上ない豪華布陣とあって団員たちは色めき立つが、それも束の間、ユリカの際立つ個性が調和を乱していく。
ある日、不安を抱える花音たちのもとに、悪の精〝カラボス〟を名乗る人物から不気味な脅迫状が届き、小道具の糸車の針でダンサーが次々に毒殺される事件が発生。
花音は事件の真相を追う・・・。
バレエ好きはさらに奥深くバレエの世界へ、バレエ初心者は知られざるバレエの世界へ。
読後、バレエが観たくなる1冊。
前作を読んでいなくても、物語に入っていけます。
こちらは著者からのコメントです。
«こうして世に出る形となった今、「ジゼル」に負けない作品になったと胸を張って言える。「ジゼル」も元の作品が持つ愛と死のテーマを小説に絡めたが、本作も「眠れる森の美女」のテーマを小説に生かしつつ、ミステリーとして楽しめるものに仕上がっている。
最後に、声を大にして言いたいこと。バレエがテーマなので女性の読者さま向けだと思われがちだが、バレエの世界は体育会系っぽくもあるし、ミステリー小説としては良い意味でオーソドックスな作品なので、ぜひぜひ男性の方も敬遠せず、お読みいただけると嬉しいです!»
著/秋吉理香子
【著者プロフィール】
秋吉理香子(あきよし・りかこ)
兵庫県生まれ。大阪府在住。早稲田大学第一文学部卒。ロヨラ・メリマウント大学院にて、映画・TV製作修士号取得。2008年、「雪の花」で第3回Yahoo! JAPAN文学賞を受賞。09年、同作を含む短編集『雪の花』でデビュー。13年、名門女子高を舞台にしたダークミステリー『暗黒女子』が話題を集める。同作は17年に映画化された。他の著書に『聖母』『絶対正義』『灼熱』『サイレンス』などがある。
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