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2019.3.4

野村本の集大成!最初で最後の本格捕手論!『野村の遺言』

野村本の集大成!最初で最後の本格捕手論!『野村の遺言』

「私の〝遺言〟を通してあらためてキャッチャーという仕事に興味とやり甲斐を覚え、さらなる意欲を呼び起こしてくれたなら、これほどうれしいことはない」

2018年日本シリーズは、ソフトバンクの甲斐拓也捕手が、広島カープの足を見事に封じ、MVPを獲得しました。

 

「短期決戦では捕手の出来が勝敗を決する」

 

常日頃からそう発言している著者の予言通りとなった形です。

「生まれ変わってもキャッチャーをやりたい」という野村氏は、「名捕手なきプロ野球は滅びる」と断言。

野村氏はいまのプロ野球界に「名捕手」がいなくなってしまったと嘆きます。

 

‹‹「キャッチャーは脚本家」――私はそう思っている。

キャッチャーがサインを出し、それに従ってピッチャーをはじめとする選手が動き、試合が進行する。グラウンドという舞台で、どのような試合が繰り広げられるか、キャッチャーの指ひとつで決まると言っても過言ではない。

「映画は脚本で決まる」という。

「いい脚本からダメな映画が生まれることはあっても、ダメな脚本からいい映画が生まれることは絶対にない」

映画界にはそういう名言があるそうだ。野球の試合も同じ。キャッチャーの書く"脚本"がまずければ、すぐれた"作品"が生まれるはずがない。いまのプロ野球のレベルが低下したのも道理なのである。

大谷翔平、山田哲人、柳田悠岐・・・・・・才能のある〝アクター〟は、われわれの時代よりむしろ増えているかもしれない。しかし、いくらいいアクターがいても、それを活かす脚本家がいなければ、名作は生まれえないのである。››

 

では、なぜ名捕手はいなくなったのか。野村氏はふたつの理由を述べています。

 

‹‹第一の理由として「キャッチャーをやりたい」という子どもが少なくなったことがあげられる。

<中略>

いまの子どもはきついこと、縁の下の力持ち的な役割を嫌う。やりたいという子どもが減れば減るほど、レベルが下がっていくのは道理であろう。››

 

‹‹キャッチャーのことを教えられる監督やコーチがいないことも無視できない。これが、名捕手がいなくなったふたつ目の理由だと私は考えている。せっかくキャッチャーをやりたいという子どもが出てきても、キャッチャーがなんたるかを教えられる指導者がいないのだ。››

 

名捕手がいなくなると、捕手出身の監督が少なくなり、プロ野球がますますつまらなくなるという野村氏。

本書ではキャッチャーという役割の重要性を説きつつ、配球やキャッチングなど実践的技術についても実例を交えて紹介!

さらには、野球だけにとどまらず、一流のビジネスマンにも通じるという名捕手の条件についても展開しています。

 

‹‹「カン」には三つある。「感」と「勘」と「観」である。この三つをキャッチャーはそなえていなければならない。「感」とは豊かな感性。文字通り、感じる力である。目、耳、鼻、舌、皮膚の五感を通してもたらされる感覚のことだ。この五感を磨き、研ぎすますと、第六感と呼ばれる「勘」が得られる。そして、「感」と「勘」によって得られた経験をもとに、全体の流れのなかで物事を判断する能力が「観」である。この「感」「勘」「観」にすぐれていなければ、いいキャッチャーにはなれない。

この三つの「カン」を持てると、おのずと「目配り」「気配り」「思いやり」ができるようになる。この三つの「り」もキャッチャーには非常に大切だ。››

 

プロ野球の歴史とともに生きてきた野村氏による、最初で最後の超本格捕手論。

巻末には、文庫版スペシャル企画として、野村克也氏と山崎武司氏の「ぼやき&言いたい放題対談」を特別収録!

 

‹‹山崎 すいません。また落選してしまいました、ドラゴンズの監督(笑)。

野村 (苦笑)いまは能力より処世術の時代だからな。十二人の監督の顔見てみい。みんな上手そうや。山崎は下手なんだよ。クセがあるから、好き嫌いが激しいんだ。

山崎 「外野手の監督はあかん」と監督はいつも言ってましたけど、まんまとそのふたり(巨人・高橋由伸、阪神・金本知憲)が散ってしまいましたからね。僕は監督経験していないですけど、僕が見ていてもたしかにピッチャーの使い方が上手じゃなかったですよね、金本も由伸も。「ええ、なんでえ!?」っていう采配が多かった。それはすごく感じました。

野村 やっぱり誰でも選手時代の経験をベースにして采配を振るうからね。外野手が考えているのは自分のバッティングのことだけ。しっかりした野球哲学、野球観が備わるはずがない。外野手に名監督なし。プロ野球八十年の歴史が教えているよ。››

 

野村本の集大成として必読の書です。

 

『野村の遺言』

著/野村克也

 

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