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2018.3.4
堂場瞬一著 いくつもの顔を持つ街・神保町を舞台にした社会派ミステリー!『夏の雷音』
この記事は掲載から10か月が経過しています。記事中の発売日、イベント日程等には十分ご注意ください。
神保町の名店も多数登場! 知られざるオークション業界エピソード満載!
東京・神保町に生まれ育った明央大学法学部准教授の吾妻幹(あずまかん)
本の街、アウトドアの街、楽器の街・・・・・・いくつもの顔を持つこの街のギターショップから1億2000万円のエレキギターが消えた。
それはアメリカのオークションで落札された「ギブソン58」という幻の名器だった。
吾妻は高校の後輩であるギターショップのオーナーから相談を受け、行方を調べようとしていたところ、オーナーがその後、謎の死を遂げる・・・・・・。
彼は愛する街で起こった謎の殺人事件を、教え子の女子大生を助手にして調べていくうちに、億単位の値がつくヴィンテージギター業界の内情、オークションの世界のからくりを知る。
犯人を追跡する彼をことごとく妨害するのは旧知の神田署の刑事。
そして浮かび上がってきたのは狂乱の地上げ時代の亡霊たちだった・・・・・・。
謎解き+美味しい名店の描写も満載!
たとえば「キッチン南海」が登場する場面はこうです。
‹‹神保町のソウルフードは、「キッチン南海」のカツカレーである。
薄く揚がったカツは、千切りキャベツとライスに立てかけられるように置かれる。
皿の面積の三分の二を覆うのは、独特のどす黒いカレーだ。いかにも香辛料が効いて辛そうなのだが、実際にはそれほどでもない。
七百円でこれほど満足できる食事は、今の日本にはこれ以外にないだろう。
吾妻幹は、まず両手を擦り合わせた。いつもの癖で、自分なりにこの料理に敬意を表しているつもりである。子どもの頃から何百回、この店のカツカレーを食べたことか・・・・・・初めて食べたのは小学生の時だが、あの時の衝撃に比べ得る経験は、未だにないといっていい。四十年も生きてきて、ずいぶん貧相な人生ではあるが。››
ギター好きの著者にしか書けない台詞の数々・・・。
‹‹「何というかね、音色だけで人を魅了するギタリストっていうのもいるんだよ。ヴァン・ヘイレンのデビューから三枚目ぐらいまでとか、八十年代初頭のマイケル・シェンカーとか。攻撃的なのにスイートな部分があるっていうのが、いかにもロックらしいわけだ」››
本の街を舞台にした堂場瞬一渾身の社会ミステリーをぜひご堪能ください!
小学館文庫
著/堂場瞬一
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