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2018.1.11
神罰か、天刑病か。差別にまみれた感染症との果てしない戦い。『宿命の戦記 笹川陽平、ハンセン病制圧の記録』
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キーワード: ノンフィクション 笹川陽平 ハンセン病
「あの人たちが人類の運命を引き受けてくれている」
「右翼の大物」「日本のドン」と差別された笹川良一の三男として生まれ、晩年の彼を支えた笹川陽平(現・日本財団会長)のライフワークが、父の遺志を継いだハンセン病制圧活動です。
彼は約40年にわたって、「業病」と恐れられてきたこの病気に戦いを挑んできました。
世界各地のハンセン病患者の施設に自ら赴き、薬を届け、差別や偏見の撤廃を説く。
「制圧」(有病率が1万人あたり1人未満)を達成するための施策を各国の元首と話し合い、実行に導く。
こうした活動の継続によって、1980年代から現在までに1600万人を超える人々が治癒し、未制圧国はブラジルを残すのみとなりました。
著者は約7年にわたって陽平の「戦い」に密着!
アフリカのジャングルから西太平洋の島国まで、ハンセン病患者や回復者たちが暮らす土地には、深い絶望と、かすかな希望が広がっていました。
父の復讐を果たすかのように邁進する陽平の姿を、著者はこう表現しています。
「私ははじめて陽平の行動を現場で目の当たりにして、このような人間の出現は世界史的にもたいへん稀ではないのかという思いを一場面ごとに新しく積み重ねていった。
そして、いま彼が実現しようとしているのは、ハンセン病差別の撤廃、人間としての権利・尊厳の獲得運動なのである。彼は暗黒の人類史に革命を起こそうとしているのだ」
世界の果てまで薬を届け、虐げられた人々とともに差別撤廃に挑む、日本財団会長の果てしなき旅。
日本人が知らない世界の現実、人間の真実を知るための一冊です。
笹川良一・陽平父子の人生を描いた「宿命の子 笹川一族の神話」(高山文彦・著)もあわせてご高覧ください。
著/高山文彦
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