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2017.4.26
マンガ大賞2017に『響 ~小説家になる方法~』、第62回小学館漫画賞に『重版出来!』――出版業界の裏側を描いた作品が次々に賞を取る中、出版業界を描いたあの小説が今、熱い!!
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「マンガ大賞2017」に選出された
『響 ~小説家になる方法~』(柳本光晴・著)
15歳の天才文学少女・響が
一遍の小説を新人賞に応募したことにより、
小説界は騒がしくなります。
小説は書けるが響ほどの才能が無いのを自覚している親友、
かつて売れていた小説家、デビューしたものの苦しむ小説家…
彼らは響の小説を読み、
改めて自身の「小説」そして「人生」に向き合っていきます。
小学館ビッグコミックス
第62回「小学館漫画賞」(一般向け部門)を受賞した
『重版出来!』(松田奈緒子・著)
新人漫画編集者・黒沢心が、おもしろい漫画を作りたい、一冊でも多く売りたい、
という想いで突っ走り、漫画ができる幸せを感じる一方で、
自分の思い通りにならないことも多々あり…。
編集者、営業、宣伝、製版、印刷、デザイナー、
取次、書店員…出版に関わる人間たちの想い、
ドラマの光と影を描いています。
小学館ビッグコミックス
どちらの作品も、閉塞感のある(といわれている)出版界の
現状を打破してくれそうな熱き想いを持った人々が描かれた漫画作品ですが、
ここではもう一作、小説を紹介したいと思います。
その名も『小説王』。
作者は『ひゃくはち』『イノセント・デイズ』『95』などで知られる早見和真。
大手出版社の文芸編集者・俊太郎と
鳴かず飛ばずの小説家・豊隆。2人は幼馴染であり、
俊太郎は豊隆の才能に惚れ込み、いつか仕事を…と約束しますが、
編集長の交代などもあり、なかなか企画は進みません。
さらに、俊太郎の所属する文芸誌は存続を危ぶまれ、
豊隆は生活すら危うい状況に追い込まれます。
そんな中でも、三流編集者と売れない作家は周囲を巻き込み、勝負に出ます!!
『小説王』というタイトル、そして書影の力強いイラスト…
漫画好きな方は『編集王』(土田世紀・著)を思い浮かべるのではないでしょうか。
それもそのはず、表紙と挿画には『編集王』から抜き出されたイラストが使われ、
作中でも「『編集王』はバイブルです」といったやり取りがされています。
現在の出版業界に諦めることなく小説への熱い想いをぶつけ合う編集者と小説家…
その熱き人間たちのやり取り、
次のページをめくりたくなる熱量などは『編集王』を彷彿とさせます。
『響 ~小説家になる方法~』のような物語を書く小説家たちの想い。
その想いを受け止める『重版出来!』のような編集者たちの情熱。
この2つが熱く熱く描かれているのが『小説王』です。
小説ですが、漫画ファンの方にもおすすめできる作品です。
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